実践報告をもとに、教材のとらえ方、発問の質や順序、学級経営とのかかわりなど、明日の授業に役立つ情報を交換しています。どの子も分かり、楽しめる授業を工夫しています。
授業者も安心でき、子供も安心できる学級経営のコツを学びます。
初めての方も気軽に話し合いに参加できます。
国語の授業に悩んでいる方、楽しい国語の時間にしたいと考えている方の参加をお待ちしています 。
気 軽 に ご 参 加 く だ さ い 。
直接会場へお越しくださるか、下記メールにご連絡ください。
E-mail いずみ会@hotmail.com(izumikai100と入力)
第773回 10月例会 (中身は3月例会です。変更する可能性もあります)
日時 令和2年 10月17日(第3土曜日) 13:30 〜 16:0(定例 研究会)
会場 板橋区立第8小学校 4年1組教室
内容 詳細は決定次第掲載します。
初心者の方には、参考になることが豊富にあります。
参加フリーですのでお誘い合わせておいでください。
12月は6名でした。
「海のいのち」は、10月の会に希望された方が欠席でされたので『生き物はつながりの中に』の出前授業計画について検討しました。
司書のMさんは、絵本の「海のいのち」を使って予習してこられたとのことで残念がっていました。
『生き物はつながりの中に』の提案は、全5時間児童に事前資料として配布するものです。
目標は、筆者の中村桂子さんに意見・感想を書こうです。
第一指導は段落毎に7区画し、各区画を代表する語句を選び書き出す、と手引きを示しての概観です。
第二次指導は、どの区画を詳しく読みたいかを4か所例示し、2時間で2か所選ぶ形です。
第三次指導は、感想文の指導で、1時間目に書き、2時間目に発表会と清書です。
教材文を区画毎に順繰り読みした後、題目と四かくと六とくについて話し合いました。
その後、第二次指導の1か所について、その扱いを検討しました。
第7段落の「かけがえのないたった一つの存在です」について児童がどう受け止めるか、結果が楽しみです。
提案資料検討会をもとに修正)
報告U
三年 道具を使う動物たち
第二次指導〈六とく〉の検討(要約)
エジプトハゲワシがダチョウの
たまごを石でわっていたからです。
ワシは、くちばしに石をくわえて
たまごに向って立ち、
頭を高く上げていました。
次のしゅん間、力をこめて
頭をふり下ろして石を
なげつけたのです。それから、
たまごのようすを見て、
われていないと分かると、
また、石をくわえてたまごに
なげつけて、とうとうかたい
からをわってしまいました。
@ 書き出した所から何を学ばせるか。
・ エジプトハゲワシが石を使ってダチョウの卵を割る様子を考える。
・ エジプトハゲワシが道具を使うことを発見した驚きを考える。
A 六とくは、語義・区分から入るが、語義として扱う語句は何にするか。
・ 次のしゅん間 頭をふり下ろす
なげつける とうとう
B 区分はどうするか。
・ 先ず、「ワシは」の前と後に分け、後を三つに分ける。(三文あるので)
・ 三つの分け方を「石を投げる」「見て分かる」「とうとう割る」にする。
・ 「分かると」のところは、「分かりました。するとまた」というように文末を揃える扱いをするかは、無理に扱わなくてもよいだろうとなる。
・ 「石を投げたこと」「確かめて卵を割るまで繰り返したこと」に二区分する。その後、それぞれを二区分する。
C 六とくは○語義・区分◎心○余韻となっている。では、◎心をどう扱うか。
・ @で考えた「驚き」を扱うとすると、四つに分けたどこにそれが出ているかを考えればよい。区分の最後では、「からをわってしまいました」になる。
・ 「わりました」と「…しまいました」の違いは何でしょうか。(ここで、大学生の言葉遣いの話や口語と文章語の違いなど、小学校教員では気づかない視点の話を伺う)
・ 他の驚きの出ているのは「なげつけたのです」(なげつけました)と比べると違いが分かる。
・ 嘴で割らないで石を使った訳も、読みとれる。(かたいから)
D 授業者の六とくの指導をDVD視聴。 (参照 筆録素案 @ A B)
・ 難しい言葉はありませんを受け、「たまご→かたいから」を扱う。
・ ○区分 二区分(ワシは前後で)授業の最後の方で、後半を三区分する。
・ ◎心 ワシの行動を順に10探し、これを見ていた動物学者が、ワシはすごいなあというのが十のうち一つある。何番か。(7番 見て)
E DVD視聴の感想
・ ワシの動作を追いかけさせることが、主語と述語の関係を考えさせることになっていた。(日本語は主語の省略が多い。大人には自明のようだが子どもにはどうなのか。その意味で有意義)
・ 1から順にやっていって、子どもの答えが飛んでいても先の番号を記し、知らぬ顔をして飛ばした番号を考えさせていたところに感心した。
五年 古文を声に出しで読んでみよう
竹取物語
その竹の中に、もと光る
竹なむ一筋ありける。
あやしがりて、寄りて
見るに、つつの中光り
たり。それを見れば、
三寸ばかりなる人、
いとうつくしうて
ゐたり。
平家物語
祇園精舎のかねの声、
諸行無常のひびきあり、
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰のことわりをあらわす。
おごれる人も久しからず、
ただ春の夜の夢のごとし、
たけき者もつひにはほろびぬ、
ひとへに風の前のちりに同じ。
@ この教材で何を教えるか。
・ 古文を教えるのではなく、親しませるのだから暗唱させると考えるのも一つではないか。
A 暗唱させるためには何が必要か。
・ 今と意味がちがう言葉をはっきりさせたりしながら大凡の中身を分かるようにさせる。
B 授業者からの話。 (別添資料参照)
六年 海のいのち 2時間分
瀬の主は全く動こうとはせずに
太一を見ていた。おだやかな目
だった。この大魚は自分に殺され
たがっているのだと太一は思った
ほどだった。この魚をとらなけ
れば、本当の一人前の漁師
にはなれないのだと、太一は
泣きそうになりながら思う。
もりの刃先を足の方に
どけ、クエに向ってもう
一度えがおを作った。
「おとう、ここにおられたのですか。
また会いに来ますから。」
太一は村一番の漁師で
あり続けた。
千びきに一ぴきしか
とらないのだから、
海のいのちは全く変わらない。
巨大なクエを岩の穴で
見かけたのにもりを
打たなかったことは、もちろん
太一は生がいだれにも
話さなかった。
@ それぞれ何を考えさせるか。
・ 題「海のいのち」との関わりを探る。 (参照 資料)
光村6年 時計の時間と心の時間 実践報告検討会でした。 教材文@ A B
検討会
第一次指導を1時間扱いとすると、実験の図表や挿絵を使って考える時間が取れたのではないか。絵の扱い、図表の扱い、手引き、六とくについて検討する。
第二次指導に関連して、この文章には、分かり難いところがあるのでどう指導したらよいかを考え合う。
六とくの指導について
これは、その時間帯の体の動きのよさと
関係があると考えられています。
私たちの体は、朝、起きたばかりの
ときや、夜、ねる前には、動きが
悪くなります。すると、昼間で
あればすぐにできることでも、
時間がかかるのであっというまに
時間が過ぎるように感じるのです。
○語義・区分
ばかり 動きが悪い (考えられています。とはどういうことかを考えさせた方がよいのではという意見が出る)
・2つに分けてください。
1文目と残りと分けた。(その理由が説明できるとよい。)
・後を2つに分けてください。
2文目と3文目に分ける。
・「ねる前には」の「は」は、比較の働きをしている「は」である。何と比較しているのか考えると、どうなのかを検討した。
朝起きたばかりのときと、夜寝る前をふくめて考えると、昼間と比べている。
すると、動きが悪いに対応するのは、動きがよいことになる。それが「すぐにできる」と示されている。
・「昼間であればすぐにできることでも」の部分を括弧にして抜き出すという区分もありそうだ。
・この文には、感じるのは誰なのか、書かれていないので分かり難くなっていないか。
・「指導では、感じるのですから文を考え」、何を感じるのか。「あっというまに「時間が過ぎる」こと。
それは、どうしてそう感じるのか。「動きが悪くて時間がかかるから」というよう整理した。
・「時間がかかるのであっというまに時間がすぎる」ということが、難しいと大人である私も感じたがという意見もあった。
・それは、何を基準にして話を展開しているかによって表現が変わること。
・算数の単位当たりの量の学習が理解しにくいのに似ている。
・円安になったといいながら、100円が120円になるときに感じることに似ている。(p38のグラフを見たときに感じたこと)
・そうすると、体の動きがよいと沢山の動くことができることになり、心の時間は、一定の運きに対する経過時間で判断していることになるということか。
・難しい話である。
以下略
一 みる
子どもは絵本が大好きです。教科書の絵を好きなだけ見させて堪能させます。
その間に問答を入れるのです。
絵を扱いつつ、子どもの知識、概念、生活経験を整理するのです。
ここで、問答の基本的な躾をきちっと身につけさせます。
「黙って集中して聴くこと。勝手な発言や、ハイハイとうるさく声を出すことを止めること。発言するときは、挙手して、指名されてからいうこと」を教えます。
これは、学校生活を通じて守らせたい習慣です。
肝心なのは耳を大切にすることです。
子どもはわかれば面白いのです。
自分の考えや知識をきちっと整理してくれる話、納得のいく話を理解します。
温かいわかり易い言葉で、静かにゆっくり話すことです。
先生も、子どもの話を落ち着いて注意深く聴くことです。
躾は、学習の中で必要に応じて行います。
具体的な活動の中で好ましい行動を教え、習慣づけます。
「腰を立てること。目をフラフラさせないことなど学習に集中すること」を自覚させます。
「考えると面白い。そういえば何だろう」と目を見張るような言葉が先生の口から聴ける。
子ども達は先生の話に聞き耳を立てるのです。
絵に想像を加えたり、動かしたり、広がりを考えたりすることで、観察力や想像力も豊かになります。
子どもの答えは真剣に気持ちよく受け取ります。
その上その発言が全員に行き渡るように、先生がもう一遍いってやります。
意味の通らないような発言であったら、「こういうことでしょう」と補ってやります。
問いと食い違っていても「ちがう」と素っ気なく切り捨てるのではなく、「惜しかったね」とか、「そう考えたか」とか答えを尊重します。
二 ことばのけいこ
「さあ、先生の口をしっかり見てください」と集中させ、「今出ていた海のことですね」と、「うみ」と口を大きく開けて口形を見せ、子どもにまねをさせます。
この時、鈴木先生の発明ですが、「、」「。」の所で息を継いだり休止したりするのですが、そこを子どもにはっきりわからせるように、ここで口を結ぶのです。
このことは、作文を書くようになって、はっきり効果を表します。
教育は自然が尊いと思います。
子どもが言葉や行動を習得してきたのも、家庭の中で、周りの大人を見習って、自然に植え付けられてきたものです。
「ああでもない、こうでもない」と押し付けるのではなく、子どもが自然にそこへ近づいていく意欲を持たせることだと思います。
三 かく
今言った言葉を、本を見て書かせます。
子どもはノートに、教師は黒板に書きます。
初めのノートは、ますの大きいものか、罫線のないノートを用います。
せっかく指示しても忘れて、反対側から書き始める子、勝手な所を開けて好きな所に書く子がいますが、文句を言わないことにします。
板書を終えたら机間巡視して、一人一人のノートにさっと目を通します。
課題のある子の個別指導は、二回目に書くとき、側に行って手を添えたり、大きく書いてやったりします。
字形など気にせずに字の格好をしていたら「うまい、うまい」と励ましてやります。
子どもは友達と比較して自分の書いたものが上手だとか下手だとかは少しも考えません。
自分も大人のように字を書いたと大満足です。
こうして、師一回、子一回書いた後は、先生が一人で黒板に書いて見せます。
皆に見えるように大きく、高い所へ、体を開いて一画一画説明しながら書きます。
その後、「ここで口を結んだのですね」と、教科書になくても「、」や「。」をつけます。
今度は、子どもが自分ひとりでノートに書きます。
こうして師二回、子二回書いたら次はこれを読む段階です。
この手続きにも深い意味があると思います。
いきなり子どもに本を見て書きなさいというのは無理だと思って、「うはこうかくのですよ」と始めたくなりますが、
「先生が教えてくれないうちは書けない」という子でなく、とにかく自分でやってみよう、という態度が即ち自主性ではないのでしょうか。
「字を覚えさせる、教え込む」という考えでなく「親しませる」という余裕が大事です。
「自分にも書けたと喜んで繰り返しているうちに、だんだん覚えていき、しっかりとした字になるということだ」と思います。
四 よむ
ノートも本もしまわせます。
初めは指黙読です。「さっきのように大きな口を開けて、声は出さないで読みます。
このとき大切なのがむち(鞭)です。
一字一字「う」「み」と抑えずに「うみ」と一語にして読むように指します。
次に皆で一斉に音読します。
その時、むちが大活躍です。
読もうとする意気込みを捕らえて声を揃えて読ますのです。
大きい声、ゆっくり、はっきりという注文を最大に生かすのも先生のむちの先の意気込みです。
全体の歩調を揃えるのです。
「あんまりうまいからもう一度」とか「今度は、男の子だけで」とか「次は女の子」とか、何回も読む練習をします。
声のでない子もだんだん大きい声に慣れてきます。
子どもの声とむちと、呼吸が合ってくると張りのあるよい声が出ます。
力いっぱい、皆揃って読んだ声の余韻の残る教室は、師・子共に快いものです。
五 とく
高学年のように内容をとくのではありません。
応用といいますが、板書に合わせて新しい字をいくつか書き加えるのです。
「黙って見ていてください。これ読めるかな」と新しい字を書き加えると子どもは目を丸くして見守ります。
まだ習わない字でも、複雑な字形でも気にせず短い言葉を添えます。
文字を覚えさせようとすると、易→難とか、濁点はずっと後とか気を使うわけですが、教えるのではなく親しませると考えればどんどん出しても平気です。
例えば、最後の「うみ」の上に「あおい」と書いて、「うみ」「うみ」「あおいうみ」と読ませると、大収穫をしたように喜びます。
よくやるようにノートに「あああ……」といくつも書かせるようなことは、子どもの心に喜びが生まれるわけがないと思います。
意味のないことを機械的に繰り返すことを鈴木先生は戒められました。
◎ 学ぶ気構え
◎ 先手と後手 打つ手と抱く手
◎ 注文は小出しに
◎ たるまない 効を急がない
◎ 子どもの気まま 先生の気まま
◎ 相対観 対立観をとり払う
◎ 単純な案をもって
◎ 共に育ちましょう
Tさんからのメールの紹介
昨年秋から特別支援教室に入り、子どもたちと密度の濃い時間を過ごしています。
今ではお互いに理解し合ってとても仲良しですが、初めの頃は戸惑うことの連続でした。
なかでも国語のグループ学習では、発音ができない子、文字が読めない子もいる中、どうしたらよいのかと最初は途方にくれました。
頼りはいずみ会です。
まず、子どもの気持ちに会いそうな詩を取りあげたのですが、とても短い詩にもかかわらず1日では終わらないことを知り、黒板に書いた詩を消さずに何日か学習を積み重ねていくことにしました。(少人数教室なので可能でした。)
七変化の教式を基本に、実態に合わせながら指導しました。
また、作文を書こうとすると、同じ一つのひらがなを、大きく濃く用紙の最初から最後までびっしり書く子がいて、「何て書いてある作文なの?」と聞いてみると、とても楽しい内容が分かったということもありました。
大切にしたことは、桐田先生からいつも教えていただいている、今できることを精一杯すれば良いということです。
子どもが精一杯取り組めるように、ということを中心において指導を考えました。
そうしてこの春、一人のお母さんから、「(ずっと読めなかったのに)たった半年の先生の授業で、うちの子は読めるようになりました!」
と伝えてもらいました。
また、新学期になって始めて出会って授業をした子は、授業の終わりには、その時間の最初の読み方とはくらべものにならないほど明瞭に発音できていました。
どちらも教式だからできたことだと思います。
教式の中の、今回は特に指黙読と指音読について、その大きな力を感じています。
こんなことを思いながら、1週間が過ぎました。
実は、4月20日はどうしてもはずせない用事があり、残念ですが例会には参加できません。
きっとたくさんの学びがあることと思います。
様子を教えていただけたらうれしいです。
では、今後ともよろしくお願いいたします。
以下略
@ 特別支援学級での国語科 実践報告 T講師さん
A 読み聞かせ指導 「どうぶつの赤ちゃん」 1年2学級、2年3学級 M司書さん
B 「どうぶつの赤ちゃん」 光村1年下 第一次指導(1)第二次指導(2)第三次指導(1) 4時間の実践報告 Kさん
@ Tさんの報告
30年の10月から傷病代替の時間講師を始めた。
1年〜3年のグループ3名を担当する。
「読み、書き、発音」に個人差が大きいので、内容は
・ ひらがなの読み書き
・ カタカナの読み書き
・ 漢字の読み
・ 月日の読み方
・ 詩
・ ことばあそび
・ 説明文読解
・ 作文 など
詩 「ともだち」「おれはかまきり」「おおきくなあれ」「けむし」「おさるがふねをかきました」「あいたたた」他
説明文 「くちばし」「どうぶつえんのじゅうい」
作文 ・ニュースをかこう ・おはなし ・にっき ・かきたいこと
七変化の扱い
一よむ 初日にていねいに何度か読んだ。
二とく 人数が少ないので、全員の意見を取り上げた。
三よむ
四かく 視写
五よむ 全員で板書を読む
六とく 板書を見ながら
七よむ 全員で読む。一人で読む。詩は覚える子もいた。
* 短い詩でも一日では終わらず、何日か取り組んだ。
【教式の視点から】
・ 一人で立って読むと、がんばれる。
・ 姿勢に、気を付けさせる。
・ 作文は、書きたいことを書くようにした。
・ 友だちの作文が、とても良い教材になった。
【その他】
・ 毎時間、ひらがななどの文字指導を続けた。
・ 算数的な話題も入れて、合科的に扱った。
・ 子どもが、国語を楽しみにしてくれている。
発表資料はこちらへ @ A B C
A Mさんの報告
区立の小学校の司書をされているMさんは、国語科で指導した内容をより深めたり関連図書に関心をもたせたりと図書館活動を工夫されています。
区や市町村によって司書の配置にばらつきがあり、司書さんの取り組みにもいろいろあるようです。
図書室の活性化に向けて意欲的に取り組んでおられるMさんの実践報告を伺い、担任も司書さんと協力を考えることの大事さを感じました。
以下、Mさんのお礼のメールです。
2月のいずみ会では、どうぶつの赤ちゃんの読書指導報告をさせていただきありがとうございました。
いずみ会でお話しましたが、一年生の教科書の内容に添って選書して絵本の読み聞かせと動物図鑑の使い方の説明をしました。
子どもたちも熱心に聞くことができ、次の授業ではカンガルーの赤ちゃんの本も読みました。
有袋動物の赤ちゃん? コアラなどを含めて? の本も紹介しました。
事前に子どもは教科書で勉強をしているので、より詳しく知ることができて効果があるようです。
来週は、三年生の図書の時間にも中学年向けに少し内容を加えて動物のブックトークを行う予定です。
今回、ホームページでの桐田先生の出前授業への熱意を知り、私も自分のできる範囲で本を通して授業にかかわっていきたいと思いました。
先生のおかげで、子どもたちと楽しく図書の授業ができました。
来年度も、いずみ会で司書として先生方の授業に役立つような報告ができればと思います。
どうかよろしくお願いします。
B Kさんの報告
どうぶつの赤ちゃんの実践報告でした。詳しくはこちらへ
1月の例会の報告を簡単に書きます。参加者は、6名でした。
「だれが、たべたのでしょう」教出1年下
関西の在住会員の実践報告(紙上)の検討会でした。
(報告者に送ったメールの一部です)
最初に、各自が立案する時間を30分作りました。
区画について、それぞれの意見を伺いました。
7区画ということでしたので、区画後教材を順繰り読みしました。
次に、第一次指導について報告を代表が音読しました。
その後で話し合いをしました。
・区画は同じになりました。
・写真の取り扱いは、どの程度がよいのかが話題になりました。
1あまり扱い過ぎると拡散してしまう。
2どの写真を使うかも、考えないといけない。
・案を考えるときに手引きが難しかったが、報告者の手引きですっきりした。
・子どもの体験・発想が面白いと感じました。
第二次指導についても代表が音読しました。
六とくを中心に話し合いました。
・語義については、「かみきって・まで・も」について話が出ました。
・区分について、2つに分けると、前と後では何が違うのかを考えました。
1前は、たべ方
2後は、たべる部分
それをどう抑えるのがいいのか、結論は出ませんでした。
・西山先生のような扱いが自然なのかなということです。
・言葉の持つ意味・働きを具体的に扱っている。
・新井紀子さんが「教科書の読めない子ども」について書いているが、いずみ会ではそういうところをていねいに扱っている。
「も」「だけ」「かみきって」のような言葉も文に即して具体的に取り扱っている。
最後に、授業を振り返ってを代表に音読してもらい、子どもたちのお礼状も読んでもらってからまとめに一言感想を話してもらいました。
○授業の流れが自然で二時間目の六とくの答えが素晴らしかった。
○題目の扱いも自然で、季節感を写真を使ってだし、森の中を楽しんでいる様子や胡桃を数える様子が楽しそう。
○最後に探険したいね、と結べるような扱いがよかった。
○夏の会で絵の扱いについて考えたが、教科書を使っても題目から自然な流れに沿って絵を扱っていた。
○夏の会では拡大した絵を掲示し、そこに集中させていたが、文章から離れることがあった。今回は、教科書を使っていて文章から離れない扱いになっていた。また、板書の略画が効果的であった。
○授業者が授業を楽しみ、子どもたちが喜んでいることが伝わってきた。
〈資料の一部〉
第763回 東京いずみ会 12月例会 12月1日 報告 11月例会は中止でした。
「自然のかくし絵」 矢島稔著 3年生 (教材は東書3年上)
第二次指導〈六とく〉コノハチョウの部分を全文書き出し、そこを詳しく読み取る授業から検討を始めました。
最初に、参加者各自がどう扱うかを案を作ってもらいました。
コノハチョウの羽は、表はあざやかな青とオレンジ色ですが、うらは、かれ葉のような色をしています。
それに、羽をとじたときの形も木の葉そっくりです。
そのため、木のえだにとまっていると、えだにのこったかれ葉と見分けがつきません。
それから、DVDの視聴をしました。
〈六とく〉 ○語義・区分
語義・難しい言葉は何を扱うか。 授業者は「あざやかな」 → 反対は(枯葉のような色) → うら・表 を扱いました。
区分・分けてから中身を扱うとよく分かる。 授業者は2区分後、3区分しました。
ここでいったん止めて、話し合いました。
・ 語義で、「が」「それに」「そのため」などを扱うのもどうかな。
2区分 子どもからは「色をしています。」と出ました。授業は、「それもありそうだけど、今日は別なところで。」と切り返しました。
「オレンジ色ですが、」を見つけた子がいました。「ああそうか」。という声が漏れてきました。
表と裏の2つに分けます。裏を3つに分けてください。@色、A形、B見分けがつかない、と分けました。
◎心 文章の核心をはっきりさせる。
@コノハチョウは、何のためにこういうことをしていのかな。(身を守るため)
A見つからないための工夫は何でしょうか。一つ目は漢字一字でいうと何か。(色)
B二つ目は何ですか。(形)
Cでは、色はどんな色か。(かれ葉のような色)
D形はどうかな。(木の葉のような形)
E色・形とも枯葉のようです。ここで、一番言いたいことは何ですか。(見分けがつきません)
F何と何が見分けがつかないの。(コノハチョウとかれ葉)
G鳥やトカゲが食べたいのはどっち。(コノハチョウ)
Hどこにいても見つからないのかな。(木の枝に止まっている)
I木の枝に止まっている時に羽はどうなっているの。(閉じている=裏)
Jここには、書いてないが、表を出している時間と閉じている時間ではどっちが長いのかな。(閉じている時間)
新井紀子さんのRSTフォーラムに行ってきた資料と授業者の授業後の感想文を読んで読解するということについて学び合いました。
以下、省略
第762回 東京いずみ会 10月例会 10月20日 報告
「風切るつばさ」 木村裕一著
子どもたちの生活と重ねて読み取ることができる作品です。
授業者は、クルルとカララの友情という視点で読み進めています。
ビデオを視聴しながら、切りのよいところで止めて話し合いました。
・城星学園での教式についても学びました。
第一次指導 〈二とく〉 は、いずみ会では ○題目(題名を板書)から入りますが、そうではありませんでした。
@季節 A登場人物とその関係 B場所と渡り(補説もあり この中で風切るつばさについて触れる)
○手引きは、「クルルの態度を書き出す」です。
〈三よむ〉〈四かく〉に移るときに、ノートの 7/26 風切るつばさ 木村裕一 を書かせます。(板書も)
横一線も区画線も定規を使って引き、1〜6を書く。(ノートの真ん中辺りに引き、上も下も書き込めるようにする)
下の段の右脇には、手引きのクルルの態度と書く。
準備ができたところで、それぞれの区画から「クルルの態度」を表す言葉を探す。
1と6には、クルルの態度を表す言葉がないので ○ とすることを確認した後で、2〜5を調べる。
〈五よむ〉 省略 今回は忘れたのかもしれません。
〈六とく〉 いずみ会では ○事実・区分 としていて 事実(=書き出された言葉相互の関係を明らかにする)を先にしてから区分に進みます。
@ 4つに区分(1・6と2〜5に分ける。→1・2〜4・5・6)
A 教科書を見て(いずみ会では六とくでは使わない)時間経過を確認(上の段に 時 夕ぐれ→夜 そのとき 冬が近づく 日に日に 書き込む)
B クルルにとって長いと感じるのは何番か。(4 うずくまるしかなかった)
C 4番と対照的な時間は(5 はばたいた)
D 次時は4番を中心に学習
〈七よむ〉 指黙読後指音読する。(いずみ会では指音読)
その後、2分程度今日の授業について何か気づいたことを書かせる時間を取る。
第二次指導についても、どうような話し合いをする。 以下略
8名の参加でした。
第136回夏の会 2年作文指導、3年「自然のかくし絵」、4年詩「ふしぎ」「よかったなあ」 の報告でした。
「作文指導」
記述指導・批正指導それぞれ1時間の報告です。授業者が午後の講座で作文の教式として述べられたことと対比しながら授業の展開報告してくれました。
《記述の授業》の一部
@ 作文用紙の白さ(=恐怖)に打ち克つには→作文用紙を授業の前に配っておく。文話・文題の間、鉛筆一本だけ置かせておき、(白い状態に)慣れさせる。
・机上…原稿用紙一枚、鉛筆一本 ★消しゴムは使わない。『見え消しでいいですよ』(強制はしない。→自分の失敗は消さないと耐えられない子もいる)
A 皆さんの作文を見て感心しました。(事前に担任より送られた作文)よく考えて書いている。とても賢いなあと思いました。
☆できている子を褒めることで指導する。→「こうなって欲しい」という指導になっている。
例…〇〇ができていて素晴らしいですね。→〇〇に気をつけて作文を書きなさい。(という指導)
B 文題は短く。 例…アイスクリームのこと
C 文題発表での先生の働きかけ方 →書きやすくなるように、詳しくしてあげること。 例…何でアイスクリームを書くことにしたの? 誰と?
D 『随意選題』(芦田恵之助:自分が書きたいと自分で選んで書く) 「自由に書いていいよ」 日記…大変のわり、コメントがいつも同じでは、子どもも読まない。
E 記述中の先生の働き 子どもが書きはめたら、教卓の前か横に立って、一人ひとりの顔を順にみている。目が合ったらニコッとする。(これは教師の苦行)
・その間、丸つけなどの内職をしない。・机間指導に入らない。(結局書けない子の指導ができない)
・紙が足りなくなったら児童が取りに来る。・難しい言葉や分からない漢字があったら、黙って聞きに来る。(端紙を用意しておいて、書いて渡す)
<批正の授業>の一部
@ 総評でよい点を教える。「 」の使い方、よく考えて書く人が増えた(記述の文話を受けて)
A 点呼の取り上げ方 作文の苦手な子も書こうとしたことを取り上げる。1,2行しか書いてない子の作文も「こういうようことも書くといいよ」と膨らませて話す。
B 優良文の朗読の選び方 聴いていて分かる作文を選ぶ。(毎回同じ子にならないように一覧表を作って置いてバランスを取ること)
C 批正文の選び方 「心」がよい作文を選ぶ。記述上の直したいところが一か所ある作品を扱う。
・またいきたいなあとともだちと言っていたら、さいごのさいごの花火が「パンパーン」となりました。 「 」の使い方を考えさせた。また、総評でも扱っていた。
「自然のかくし絵」
一番驚いのは、第二次指導の<二とく>おさらいの扱いです。
@ 先ず、□を板書して、これはかくし絵ですと伝えました。
A この絵の中にいるのは何ですか、問いました。(虫)虫と□の中央に板書しました。
B 虫が隠れるのに何を描きますか。(木・幹・枝・葉・草)虫の周りに(木・枝・葉、下の方に草を板書しました。
C この虫をねらっているものがいるでしょう。(鳥・トカゲ)鳥を枠の上に書き、トーと枠の下に書きました。
これで、第一次指導でしたことを鳥瞰できました。
途中参加で第一次時指導を参観できなかった方も、上の扱いを見て第一次指導がすうっと理解できましたと話してくれました。
東ロボで著名な新井紀子さんは、理解できたということは図や略画にできるということです、と著書に書かれています。
後述しますが、4年の詩「よかったなあ」の<二とく>でも同じような略画(図)で詩の概観をしています。
いずみ会では、よく使う手法です。
「ふしぎ」 金子みすゞ
報告は、授業者の自評です。
この詩の授業は、教壇修養会で3回目になります。
この詩のポイントは、「誰の目から見た詩でしょうか」と、前指導部長の故安達孝之介先生にご指導いただいて気付いことが大きいです。
何才位を想定するかということです。何で、何でと問う年頃の子どもの目から生まれた詩です。それが、4連に出ていることが分かりました。
教式で詩の授業を参観することが初めての方(城星学園小学校の若い先生方)が、楽しい詩の授業で暗唱もしっかりできていたことに驚いていました。
「よかったなあ」 まど・みちお
この詩は、難しくて悩みました。
前回の授業では失敗をしてしまいましたが、その時に、倉員富美子先生に4連がこの詩の元ですねと教えていただいて工夫してみました。
地球の上にある木・草、その中で動物は生きている。人もそうなのだと気づいたまどさんの想像が広がっていく楽しい詩だと考え<二とく>を扱いました。
地球を描き(半円)その上にあるものは(木・草)「木」という字を縦長に大きく書き、その周りに人・けー・虫・草を書き足していく。
更に、空にも目を向けさせて鳥も書き、雨・風・太陽(太)も書き加える。雨は水を、風は空気(空ー)を、太陽は光と関連づけている。
最後に、まどさんの「よかった」という気持ちが込められている一字を確認すると、「よかったなあ」の「あ」を子どもたちがしっかりと押さえていた。
この詩の指導では、暗唱の時間が十分に取れなかったのが残念でした。
参観者からは、子どもたちの捉える目の確かさや意欲的な姿が印象に残ったと、感想が寄せられています。
第760回 東京いずみ会 7月例会 7月7日 報告 (6月例会は、会場校の都合で中止し、7月に例会を開く)
8名の参加でした。
最初に、第136回大会の説明文教材『だれが、たべたのでしょう』について教材研究と立案実習をいました。
@教材を黙読し、区画数と何を学習させたいかを10分で考える。
A区画数の発表 4区画(気にすむ動物3匹と草を食べる動物)…7名、7区画(写真に合わせて)…1名
B4区画で教材分析、立案実習を行う。
C区画に沿って順繰り読みを行う。
ア、何を学ばせるかを検討する。
・「だれが、たべたのでしょう」と食べ残された物の写真があり、その答えが次のページに写真と共に示される形式をとっている。
・自然観察をして見つけた疑問を最初の絵と文で確認し、その答えと共に新たな疑問を見つけられると自然を見る目が育ち、好奇心も育つようにしたい。
・胡桃を食べたのは誰かが、分かればよいのではなく、硬い殻に穴を開けて中身を食べるという鼠の姿を写真をもとに想像させたい。
・さらに、なぜ、あの硬い殻に穴が開けられたのだろうという新たな疑問が出てくるようにしたい。(人間なら殻をどうするかも考えさせたい)以下同様に。
・文章が、2、3文で構成されている。問いの作り方、答え方の基本的な形式を学ばせたい。最終的には、暗唱できるようにしたい。
・問いの文章と答えの文章の間の関係を文に即して具体的に抑えたり、答えをより具体的に説明している言葉を確認させたい。
イ、どう読ませていくか。教式に沿って考える。二時間で扱うとしたらどうするかを考える。
・1時間目に第一次指導概観と第二次指導の@を行う。2時間目に第二次指導のAを行う。ということで以下を考える。
ウ、1時間目第一次指導概観を『二とく』で済ませ、『四かく』は胡桃と鼠のところを書かせる。
エ、2時間目は『二とく』で前時復習と『四かく』で書かせる松ぼっくりと栗鼠、木の葉とムササビにつながる学習をする。
オ、大枠が決まったので、「二とく」「六とく」を中心に検討する。
・先ず、「四かく」の分量をどのように想定するかを検討する。問いと答えの全文、答えの方の全文、答えの最初の文は省くの3案が出る。
・答えの全文を板書するが、最初の文は児童は視写しない。(1学期が終わったところと考えると。教科書の計画では10月頃に設定か)
以下、詳細はこちらへ
D「いろいろな意味をもつ言葉」の実践報告とその検討
E「フレデリック」を補教での実践報告とその検討
F第136回国語教壇修養会にかかわった報告等
・大阪から東京いずみ会の例会に参加してくれたY先生の話(作文の話も含めて学級崩壊した学年を担任して立て直した話など)
予定時間を30分も超過しての会となる。
5月例会は、『生き物は円柱形』光村5年の実践報告をもとに学びました。 資料(教材) (実践報告)
今回は、8名の参加がありました。初めて参加された方があり、教式を新しい視点で考えることができました。
司書のMさんは、筆者の本川さんの同名の絵本を紹介してくださいました。
Mさんは、教材文を読んで5年生に分かるのだろうかと疑問に感じて絵本を見つけたそうです。
絵本では、教科書より多くのことがかかれていたり、歌も載っていることを知りました。
ユーチューブには、本川さんが歌う動画もアップされていることも紹介してくださいました。
いずみ会に初めて参加されたTさんからは、指導過程や要旨等について質問がありました。
会の流れ
1 教材文の区画(8)を確認し、順繰り読みをしました。
2 1時間目の指導を報告していただき、話し合いをしました。
3 2時間目の指導について報告いただき、話し合いました。
4 担任外で国語の授業をもっていないK先生が、「手ぶくろを買に」の授業をされた報告をいただきました。
学年末、学級担任から時間をいただいて授業に挑戦されたとのことです。
5 宮城いずみ会の5月例会に使われた資料(鈴木佑治先生 第49回大会(昭和40年) 季節と植物 筆録と感想文)の紹介
今回の説明文の指導と共通するところを考えてもらいました。
〈題目〉について
○ 最初は、「円柱形」から入ろうと問いを考えてみました。すると、長くなってしまったので「生き物」から入りました。
・ 「生き物は円柱形」という日本語は、少し変でしょう。
例えば、「私はキツネ」「僕はタヌキ」という会話です。
その場面状況がはっきりしないと、関係者以外にはよく分かりません。
すると、題「生き物は円柱形」も、ある状況の中から生まれた文でしょう。
そこをはっきりさせることが、題目を解くということだと思います。
「教科書の第一段落」
形のうえで分かりやすい共通点は、「生き物は円柱形だ」という点だ。
・ すると「生き物の形の共通点は円柱形だ」と気づいた話ということになります。
ところで、「円柱形」とは何でしょうか。
辞書で調べてみると、手元の辞書にはありません。円柱は出ているのですが。
そうすると、円柱形と円柱は違う意味だということでしょう。
本文の中に「円錐」という言葉が出てきます。「円錐形」ではないのです。
そこで、「円錐」と「円錐形」を辞書で調べると、こちらは両方とも載っていました。
「円錐形」は、円錐に似た形と出ていました。
すると、「円柱形」は、円柱に似た形ということになります。
「教科書の第二段落」
君の指を見てごらん。丸くてまっすくにのびた形だろう。
ごつごつしていたり、でこぼこがあったりしていても、それをここでは円柱形と見なすことにしよう。
・ ここまでで、最初の疑問は整理できました。
@ 「生き物の形は、円柱形と見なすことができる」という話。
A どうして、そのことを考えるようになったのか、という点が次の疑問点になります。
・ そうすると、もの文章を書いた本川さんについて考える必要があります。
本川さんは、生物学者として生き物を研究し、その魅力(おもしろい点)は、何だと感じているのでしょう。
そこをベースに考えると、本川さんがこの文章を書いた動機が見てくると考えました。
「生き物は多様だ」ということでしょう。すると、その対極が「共通性」ではないでしょうか。
生き物の研究をするおもしろさを、ちょっと違った観点で子どもたちに示すことで生き物に興味をもってもらいたいのだと、読むと指導しやすいと考えました。
〈区分〉について
○ いずみ会でいつもしている区分を特にやりませんでした。(前の教材「見立てる」では、初め、中、終わりに分けている)
8区画に沿って、みんなで考えることになりました。
1円柱形 2円柱形 3円柱形 4円柱形 5実験 6強い 7速い 8多様
(1)(2〜7)(8)と区分、(1)(初め:結論:頭括型)(2〜7)(中:具体的な話)(8)(終わり:本川さんのこの話を書いた動機)
中は、さらに2区分でき、(2〜4):円柱形について、(5〜7):実験について、となります。
・ 報告では、「二とく」で中の前の部分の円柱形について考え、4の例外の部分を書き出して理会を深めていきました。
上のような区分をしていませんが、4つに分けて考えていることは分かります。
以下省略
4月例会は、安達孝之介先生の教壇筆録の輪読会でした。
詩の指導での挿絵と略画の描き方ついて考えました。
低学年では絵を使いながら情景をイメージさせること、
中・高学年のように挿絵のない場合には、略画を描きながら情景をイメージさせること、
また略画に言葉を添えると理会の助けになることなどを確認しました。
「一つの花」「桃花片」からは、物語文の第一次二とくの単純化がいかに大事かを学びました。
指導要領への移行が始まり、いろいろな取り組みがなされていることでしょう。
学校現場の忙しさが目に見えるようです。
何時の改定時にも、賛否両論が起こります。
時流に乗るのが上手な方もおられますが、結果的には成功しないことが多かったのでは……?
5月は、説明文の指導報告です。
国立情報学研究所の新井紀子教授は「AIは統計などを使って機械的に答えを出すだけで、物事の意味は分かっていない。
だから、その意味を理解し、適切に状況判断できる能力を養うことが、人にとって何より大切だ」といいます。
「意味を理解する」ことの意義を共に学びましょう。 (事務局)
作文の実践報告
久しぶりの作文の授業であった。作文には学級の雰囲気をよくすることを働きがあることが再確認できた。
・漢字百問テストの時期 ・日記自動をしているが、羅列文が多い ・5年に向けて取り組みたい
<記述指導> 1時間
一 文話
・これまでたくさん国語の勉強をしていました。今日は、そのことを使って作文を書いてもらいます。
・気をつけて欲しいことがあります。
@一つ目は、習った漢字をできるだけ使うこと。
Aもう一つは、段落です。お話が変わるときには行をかえて、一マス下げて書きます。
二 文題発表
・今日書きたいことを考えてきてもらいました。発表しましょう。
@漢字 Aしおり B勉強 C習字 D係 E続けること
三 記述
・(題、名前、書き始めの指導後)20分位で書いてください。
・書き終ったら自己批正をしてください。
・友達と相談しないでひとりで書いてください。
四 自己批正
五 提出
・四隅を合わせて、名前が見えるように折りましょう。
・一号車から順に出しましょう。
<批正指導>
一 総評
・みなさんの作文を読んで感じたことを話します。
@すなおな子 Aあきらめない子 B記号の確認( 注意喚起 脱字 段落替え 上下入れ替え 等) Cカギ括弧の使い方
二 点呼
・勉強のことを書いた人 19人 漢字(10) 算数(3) 総合、理科、書写、体育(各1) 勉強(2)
・スポーツのことを書いた人 4人
・習い事 大切なもの 係 (各1)
三 優良文朗読 2名 「読書」 「毎日続ける」
四 批正文聴写 「音読と読み聞かせ」 ○田△菜
五 細評
・それでは、○田さんに読んでもらいます。
・3つに分ける。(段落ごとに括弧を上方に板書する)
・音読の宿題をするときにみなさんも気をつけることは何ですか。(声の大きさ 点や丸)
<1の段落>
・うまくなるための工夫は何ですか。(発音は意味などをを母や父に聞いている。)
・どうして発音や意味も聞くのですか。(意味がわかるとスラスラ読めるし、発音が違うと直されるから)
<2の段落>
・(妹と弟に読み聞かせをする。)
・(アドバイスをもらう。)
・お兄さんやお姉さんにじゃなくて妹や弟というところに、先生は○田さんの素直さを感じました。
・スラスラ読めるようになったら、もう終わりですか。(5年生になっても頑張っていきたい。)
・「続けていくよ」という○田さんの頑張ろうという気持ちが分かる作文ですね。
○ ○田さんの作文をみんなで読んで終わりましょう。(板書 指音読)
<報告後の話し合い>
・教式での作文指導は、教室に温かい雰囲気が流れます。(他の子の話も、よい顔をして聞いていた。)
・二点呼の時間が少し長すぎた。(久しぶりの作文だったので多くの子を取り上げたかった。)
・作文指導では、担任が子ども自覚を促すような視点て話してあげるとよい。(長所を中心にして、具体的な事実を示した。)
・聴写は、担任が板書を終えたときには、全員が終わっていた。(読みの指導での視写活動が、久しぶりの聴写にも生きていると感じ、子どもの成長を喜んでいる。)
・清書の時間を設けて、自分の作品を書き直させる活動も作文力を育てることになる。(しばらくして読み直すと、客観的に見直せるので学期1回はやるとよい。)
「桃花片」東書6年 第129回国語教壇修養会の筆録で第一次指導について学びました。この教材は、「一よむ」に25分以上かかる長文です。そのために、第一次指導に2時間かけます。1時間目で「二とく」 ○題目 ◎ひびき ○手引き までを扱います。手引きに従って、2つ、3つ探します。残りは家庭での学習にします。2時間目は「三よむ」から始めます。指導者は、家庭での学習の状況を一人ひとりのノートを見ながら確認して回ります。その間、児童は教材を黙読します。その後、「四かく」を児童との話し合いながら板書します。「五よむ」からは第一次指導に従います。 具体的には資料を参照してください。
第二次指導ではどこを扱うかについて検討をしました。 別資料 第128回国語教壇修養会 例
「プラタナスの木」は、椎名誠さんが白神山地の自然保護に関わり、その経験から教科書用に執筆したものだそうです。
登場人物は、5名です。そのうちの4名は、小学校4年生で、もう一人は、老人です。
その老人の木にまつわる不思議な話を、主人公の少年が夏休み中に父の実家で思い出すという展開です。
さらに、2学期になって、その老人が話をしてくれた公園のプラタナスの木が切られていたことを知り、更に思いを深くするのです。
この単元は、感想文を書くことを目指しています。
第一次指導1時間、第二次指導2時間、第三次指導2時間の計画で授業され、その内の感想文を書くところまでの実践を報告してくれました。
詳しくは、別紙を参照(教材1・2・3・4・5・6・7・8・9・10)報告(1・2・3・4・5)
茶話会
・指導主事から「学校はサービス業です。保護者との対応は、その姿勢で臨んでください。」という話を聞いたことが話題になりました。
・私の学校では、校長がかわり、「先生方は授業に専念してください。」ということで、とび出し児童への対応なども警察を含めたの協力も求める姿勢です。
苦情の電話も管理職に回すようにとの対応もしてくれている。
・苦情の電話も、学校での児童の問題でなく、その親の感情に任せた話もあるとのこと。
・勤務時間の問題も話題になりました。いろいろ問題点があることを知りました。(退職10年以上経つ身には)
・アメリカの学校で日本語を教えたことがあるが、児童登校時刻に合わせて出勤し、下校時刻の2時半には退勤できるとのことでした。
30人程度の学級に補助員が1名配置されていました。自分の教室をもち、授業を受ける子どもたちが、時間になると来るということでした。
教える内容も、自分で決めていました。教材も自分で作った物を使いました。日本での教員の経験が活きました。
小学校教員の社会的な評価は高くなく、給与も高くないようです。
季節外れの超大型台風21号が近づいている中での例会でした。学校行事等の関係もあり6名の参加でした。
最初に、城星学園の校内研究会に参加報告でした。
次は、特別支援学級での「走れ」(東書4年上)授業についての報告です。
校内研究としておこなったものです。
学級は、4年生〜6年生の計4名です。
教材を何にするか、部会で検討した結果、学校で使っている光村以外の教科書からということで東書4年上「走れ」を選んだようです。
「走れ」は運動会での話だったので、本校の運動会とも重なり、よい教材選定だったと校内研究会では評価されたようです。
研究主題 「温かく 豊かな人間関係をめざして」 〜自らの考えをもち、表現する力を育てる〜
場面分けは、絵の合わせて7区画とした。
研究授業では、その第一場面を読み取るところをおこなった。(3/12)
本時の目標は 「のぶよの気持ちを考えよう」 とした。
展開
導入1 前時の振り返り
@ 登場人物
A 場面ごとの小見出し
2 本時のめあてを知る。
展開3 第一場面を音読する。
4 第一場面を読み取り、のぶよの気持ちを考える。
5 第一場面ののぶよの気持ちをワークシートに書く。
まとめ6 本時を振り返り、次時の学習の予告をする。
評価
・ 登場神仏の気持ちを、自分の体験と重ねながら想像することができたか。
読み取るということは、(校内研の研究主題とかかわり)
@根拠 「〜の文章から」 A主張 「○○だと思う」 B理由 「なぜなら、・・・だからです」
ができることであるとの共通理解のもとで進めたようです。
子どもたちは、グループで話し合いながら楽しんで学習に取り組んでいたようです。
毎時間同じ活動を続けたきたが、子どもたちは楽しんでいるのは、特別支援学級の特性かなと思っているようです。
いずみ会では、「〜の文章から○○だと思う」という方向での学習でなく、「○○だと思うが、どこにそれが書かれているか」という方向で学習しています。
第135回 国語教壇修養会の報告会でした。
@ 1年 詩「木」(1時間) 筆録者による教壇記録の報告
A 2年生 「言いつたえられているお話を知ろう」(1時間)
2年担任で初参加者としての目から見た教壇について
B 6年 「ヒロシマのうた」 今江祐行 文 (3時間)
長文の扱いについて、登壇者の工夫に学ぶ
C 参会者の感想、質疑応答
報告者以外の参会者の感想を中心に全参会者の話等
1年 詩 木 1時間扱いで第一次指導と第二次指導を組み合わせた指導
木になって想像した部分を肩・両肩・腕・手と動かしながら楽しみました。最後には、板書を消しながら暗唱ができました。子どもたちと一体となった授業になりました。
詩の指導は、原則1時間です。「二とく」で詩が生れたであろう状況を想定します。この詩の場合の5W1Hについて考えてみました。
いつ(春・夏 朝・昼 散歩) どこ(公園) 誰(ぼく 作者は女性) 何を(木 小鳥) どうした(いいなあ なりたい) どうして(小鳥が来るから)
すると、『ぼく』をどう考えるかを決めておくと、よいことが確認できた。
年令は園児で、散歩でその木を見ていたのかな。小学低学年で夏休み中、友達と会えないぼく、という考えるの子どもの気持ちに合いそうだ。
2年 言いつたえられているお話を知ろう 1時間扱いで第一次指導と第二次指導を組み合わせた指導
初めて修養会に参加して、同じ単元の授業を数時間続けて見られたことは、本当に大きかったと思っています。
講評や教式の話で、芦田式初学者向けの話を、見たばかりの授業をもとに伺えたことで、先生方の指導と理論とがだいぶ繋がりました。
いずみ会で教わったことをもとに授業してみた経験をもって今回参加できたことも、理解に繋がったと感じます。
「言いつたえられているお話を知ろう」は、3つの構成になっているので、区画を3つにしていた。
読みが長くなる1を2人で読むために、途中で読み手を替える印(○)をつけさせていた。
「二とく」で単元名「言いつたえ……」を板書し、その左上に横線を引き、3区分にした。1、2、3と区画の番号を記す。
お話→1は「だいだらぼう」の話 2は「やまたのおろち」「いなばのしろうさぎ」で神様の出てくる話 3は2学期にみんなでやるところ、と単元の概観。
その後、今日の学習の「だいだらぼうのお話」と題名を板書して、どこの言いつたえの話かを確認し、
第二次指導の手引き「だいだらぼうのしたこと」を書かせた。
「六とく」で山を動かす。その後に溜まった水を流す川を作る。下に湖を作った。その一連のことを略図に示して中身が一目で理解できるようになっていた。
6年 ヒロシマのうた 第一次指導2時間、第二次指導1時間の時間配分
全発問を書き出して報告してくれました。
その発問を3色に色分けして、分析したことを話してくれました。
印象に残った発問は、稲毛さんが「よかったですね」と、誰に言っているんですか。(ヒロ子ちゃんのお母さん)
それから、まだいますよね。……そう、亡くなったお母さんにも言ってますよね。(言われてみればそうだなと、奥の深い問いだなと…私は涙が出てきました)
ヒロ子ちゃんが今も元気でおられると何才になっているのかな。(72歳)そう、おばあさんになっているのね。
『ヒロシマのうた』どんなうたが聞こえてきますか……。
長い話なので授業者は、「問いつつ答えつつリズムよく話を進められている。」ことが分かりました。
「問答は、説話の変形でもある」と、いずみ会では考えていることを確認する。
第二次指導1時間を『亡くなったお母さんの話を聞いた後のヒロ子ちゃんのこと』に焦点化していました。
それが、『もう何もかも安心ですもの……』というお母さんの言葉に込められた思いを具体的に扱ったことになります。それは、稲毛さんの思いでもあります。
第752回 東京いずみ会 6月例会 6月17日 報告
S先生の教育実習生との授業の報告をもとに話し合いました。
教材は、光村3年上「こまを楽しむ」でした。指導書をもとにして授業するように教生と相談されたようです。
「こまを楽しむ」は、「初め、中、終わり」という構成で具体的な独楽の話が「中」に書かれている。
その独楽は、@色がわりごま A鳴りごま Bさか立ちごま Cたたきごま D曲ごま Eずぐり の6種である。
指導書によると、各時の目標が
@「問い」と「答え」に着目して、「初め」「中」「終わり」のまとまりを捉えることができる。 … (1時間)
A事例の中の文章構成を捉え、自分が作りたい独楽について書くことができる。 ……… (2時間)
B本文の叙述を捉え、自分がいちばん遊んでみたい独楽と、その理由をまとめることができる。(1時間)
C自分がいちばん遊んでみたい独楽について、友達と交流して、意見の違いに気づくことができる。(1時間)
D単元全体を振り返って、学習のまとめができる。物の動いている様子簡単な文章を書くことができる。(1時間)
と示される。(単元構成だと「言葉で遊ぼう」に3時間の指導後に「こまを楽しむ」を読むことになっている)
「こまを楽しむ」の第1時では、
段落 どんなこまか どんな楽しみ方をするのか
2 色がわりごま 回っているときの色を楽しむ
3 鳴りごま 回っているときの音を楽しむ
4 さか立ちごま とちゅうから回り方がかわり、その動きを楽しむ。
5 たたきごま たたいて回しつづけることを楽しむ。
6 曲ごま 曲芸で使われ、おどろくようなところで回して、見る人を楽しませる。
7 ずぐり 雪の上で回して楽しむ。
と板書・ワークシート等に書き出し、「今、みんなで確かめたのが、この文章の大事な言葉や文です。」とまとめる、となっている。
◎ この単元の最初のページに
「まとまりをとらえて読み、かんそうを話そう」…大事な言葉や文に気をつけて、段落ごとにないようを読み、かんそうを話しましょう。
と、単元の目標が子ども向けに書かれている。
すると、感想を話すことが最終目標のようである。その前提が、段落毎に内容を読むということで、そのときには、大事な言葉や文に気をつけなさい、ということでしょう。
さらに、この単元に興味関心を持たせるために、自分が作りたい独楽を探すつもりで読ませるという活動を想定しているようである。
いずみ会では、どのように読ませるかについて「さか立ちごま」を例に話し合いました。 参照
その後、夏の会に授業されるT先生より詩「木」(東書1年上)について、提案がありました。
・ ぼく を何才位と想定するとよいのか。…1年生と同じくらいの7才とか幼稚園児とか出される。
・ 情景が想像出来るようにするには、どうしたらよいか。…挿絵を見ながらいろいろ話をするとよいのではないか。
・ 文字数の多い行があるので、ノートの使い方で子供が迷わないように事前の指示が必要ではないか。
・ 暗唱を最終目標にしたい。…いろいろ読み方をさせるのも面白いかも知れませんね。
第751回 東京いずみ会 5月例会 5月20日 報告
5月は、光村4年上「動いた、考えて、また動く」3時間:第一次概観指導、第二次指導2時間:の報告でした。4月の最初の授業で、教科書の扱い方や目次指導等をされた話から始まり、第一次指導の報告後、話し合いをしました。区画について話題になりました。また、この教材について「随筆とも評論とも考えられる」と初参加の都立高校(チャレンジ)の先生が教えてくださいました。その後、第二次指導2時間分の報告を聞き、話し合いました。高校の先生の感想ですが、一問一答式の授業という印象を受けました。高校では、生徒をグループに分けて自分達で考えさせる。教員が教えると10進めるが、生徒たちに任せると5しか進まない。しかし、教師の指導では歩留まりが1しかないが、生徒に任せると3になるという報告もある。小学生では難しいのでしょうが…。
「先生ポータル」(教員の研究会案内をしているサイト:東京いずみ会、宮城いずみ会も掲載されている)を見て、たまたま部活のない日だったので参加したとのことです。チャレンジスクールの教員として小中の状況を知りたいということで参加されたようです。
小学校の先生方も、サイトを見て参加してくれることを期待ます。
今回も、まず、区画に従って順繰り読みから始めました。 教材文はこちらへ
第一次指導の報告を受けてから質疑応答となりました。
・ 区画について、形式段落だと8区画になるが、7区画にしたことに関わって話し合いました。
H…いろいろ悩んだ末に、手引きの関係と第二次指導第一時の指導との兼ね合いで、第三と第四段落をひとつにまとめました。
S…第二と第三段落を高校時代の経験と考え、第4〜6段落を後で考えて分かった理由が書かれていると考えると、すっきりするように思いますが。
K…高校生だと、私は、生徒に段落分けをさせますが、根拠を示すこと、また、対立する意見を説得させるような説明をさせるようにしています。
・ 手引について
H…いろいろ悩みましたが、「速く走るために練習したこと」を書き出すとしました。
N…どうのようにして書かせましたか。
H…各区画毎にみんなで話し合いながら書き出しました。
A…分かりやすい手引きになっています。
H…子どもたちが、私の意図を汲んでくれるようになってきているので、2年目になると助かっています。
第二次指導は、2時間分をまとめて報告してもらいました。
・ 詳しく読む箇所について話し合いました。
Y…私も、同じところ2か所考えました。
H…さっきの区画の所でも話しましたが、第3段落にするか第4段落にするか迷いました。
具体的なことが書かれている第4段落を1時間、第7段落を1時間扱うことにしました。
手引きは、「@高野さんが見つけた自分に合った走り方の一つ目を書いてください。
A自分の最高の走り方を見つけたところを書きましょう。」としました。
以下資料を参照 参考指導案
今回は、小・高・大に勤務している方が参加してくださり、それぞれの立場から話していただき、中身の濃い会になりました。
学級経営の問題や児童・生徒の理解の仕方・その対応についても話が出ました。小学校での役割を考えさせられました。
第750回 東京いずみ会 4月例会 4月15日 報告
鈴木佑治先生の国語教壇修養会での1年『かえるのおやこ』 5時間分の筆録を輪読しました。1時間毎に感想や意見交換を行いました。(教材はこちらへ)
@ まず、各自で教材文を読んで、区画と読後感を話し合いました。
5区画…絵に合わせて …子・母・父の所とその前後 4区画…子ども・母親・父親・全員で泳ぐ
擬音語の違いが、この話を楽しいものにしている。
A 鈴木先生は、5人に読ませています。順繰り読みで5人が読みました。その後、5時間の授業をどう構成するかを話し合いました。
・ 2時間くらいで終わってしまいそうです。5時間分も種がありません。
B 1時間目は第一次指導です。概観の指導です。鈴木先生は、5つに分けて読ませていますが、区画の番号を書かせませんでした。(なぜかは、5時間分を読み分かりました)
・ 子どもの実態に即して、励ます言葉が随所にある。 ・ 学習指導と生活指導が一体になっている。 ・ 問いが明確で分かりやすい。
・ 父親の指の先にあるのは何かという絵の扱いが手引きに結び付いていたのに驚いた。 手引きは「葉っぱ」がどうなっていたかでした。
* 「ういていました。 つかまりました。 つかまりました。 つかまりました。 しずみました。」と板書を見ただけでどんな話かが見えてきます。
・ 〈五よむ〉では、学級の実態に即して〈一よむ〉の支えになるような指導を丁寧にされている。
C 第ニ次指導(3時間分)は〈四かく〉を記し、詳細は略します。
* 2時間目 「あのはっぱまで、およいでいけるかね。」 「いけますよ」 「いってごらん。」
「おかあさんもおいでよ。」 「いきますよ。」 「さあ、きましたよ。」 「おとうさんもおいでよ。」 「いくよ。」
* 3時間目 ちゃぷ ちゃぷ ちゃぷ じゃぶ じゃぶ じゃぶ どぶ どぶ どぶ
* 4時間目 三びきのかえるがつかまったので、はっぱは、すっとしずみました。かえるのおやこはあわてました。
こがえるを中にしてちゃぷちゃぷ じゃぶじゃぶ どぶどぶ と、およいでかえりました。
・ 若いころは、第一次指導は簡単で、第二次指導が難しいと考えていました。「先達の第一次指導が難しいのです」という言葉の意味が、改めて実感できました。
D 5時間目は第三次指導になっています。(第三次指導は語句・文法など形式の扱いと考えていました)
* 5時間目 「いけますよ。」と、こがえるがいいました。 こがえるがちゃぶんととびこみました。
「おかあさんもおいでよ。」と、こがえるがよびました。 「おとうさんもおいでよ。」と、こがえるがよびました。
・ 第三次指導は、まとめの指導でもあると、分かりました。
・ どの時間も、ほぼ全体を扱っています。ですから、区画の番号をつけない方が自然な扱いができるのだと気付きました。5時間分の構成がしっかりできているからです。
1時間目(はっぱ視点を当てて親子の姿を考える)
2時間目(会話文を通して親子の姿を考える) 3時間目(擬音から親子の様子を考える) 4時間目(泳いで帰る姿を通して親の愛情を具体的に考える)
5時間目(子蛙の姿を考え、言葉の働きを考える)…「よ」の働きを具体的に扱う。…形式の扱いでもある。(筆録はこちらへ)
第749回 東京いずみ会 3月例会 3月4日 報告
1990年8月25日に兵庫県氷上郡市島町立竹田小学校(現丹波市)で行われた、芦田恵之助先生特別展記念講演「芦田恵之助先生と国語教育」での様子がYouTubeにアップされています。
講演の前に、いずみ会第3代会長助松太三先生が「太郎こうろぎ」を3年生と、事務局長の倉員富美子先生が「野を歩けば」を5年生と授業されました。お二人の授業を姿を久しぶりに拝見して懐かしさを覚えました。教式について改めて先達にその真髄を見させていただいた思いです。
その後、倉員先生の米寿のお祝いに寄せ書きを作りました。
来年度も、会場は板橋第八小学校でというお願いをしています。正式に決まりしたらお知らせします。
第748回 東京いずみ会 2月例会 2月18日 報告
今回は、参加者は8名でした。案を書面にされた方は2名でしたので、東書5年の教科書を使われている方の案をもとに「大造じいさんとがん」を考えてみました。
まず最初に、全文を7つに分けて輪読しました。それから、「心に響いた」ところを出しあいました。ほとんどの方が、残雪と大造じいさんの対面する場面だといいます。
それから、一〜四の区分は、大造じいさんが一匹の雁を手に入れてから思わぬ展開から手にした残雪を解き放すまでの年数を表していることを確認しました。
次に、区画を検討しました。4つ、6つ、7つ、9つなどと、いろいろ出ましたので、「二とく」の〈題目〉の扱いを先に考えることにしました。
二とく ○題目
@ 「大造じいさん」と「がん」のどちらから入るかについては、「大造じいさん」からということに落ち着きました。
A 大造じいさん → 職業=猟師で猟銃を使うこと 狩る対象と場所=沼地に来る雁 年期=老練 成果が零の年数=4、5年 その原因=残雪
B がん → 手に入れた雁の数=2羽 1羽には名前=残雪 残雪=頭領 白い羽
などのいくつかを組み合わせて、題目をほぐしていくことになるとの結論になりました。
◎ひびき
@ 「ただの鳥に対するような気がしませんでした」という大造じいさんの見方・考え方・生き方に共鳴する。
(雁の頭領残雪の姿を間近に見た大造じいさんの心は動いたが、残雪がどう見えたのかな。答は求めずに、そこを考えるのがこの話の面白いところです)
そこで、そこを際立たせるためには、区画をどうしたらよいか、手引をどうしたらよいかを考えました。
○手引き
@ 大造じいさんの言動か、残雪の様子か、或は、両者の対応を書かせることになりそうですが、大造じいさんの言動で考えることになりました。
A 言動の中でも、狩りをするための道具類を書き出す手もあることを確認しました。
B でも、今回は、したこと、うけたことを手引きにしました。たくさんあるので、区画の最後に出て行きた「大造じいさんは」か「じいさんは」の文から書き出すことにしました。
〈区画〉
大造じいさんの言動で場面展開を考えると、一を2つ、二は1つ、三を3つ、四は1つに区画しました。
…略… 指導案A
その後、第二次指導第二時の扱いを検討しました。
大造じいさんは、ぐっと、じゅうを
かたに当てて、残雪をねらいました。
が、何と思ったか、また、じゅうを
下ろしてしまいました。
残雪の目には、人間もはやぶさも
ありませんでした。 ただ救わねば
ならぬ、仲間のすがたがあるだけでした。
いきなり、敵にぶつかっていきました。
そして、あの大きな羽で、力いっぱい
相手をなぐりつけました。(156字)
まず、「六とく」を検討してから、「二とく」で扱うべきことを考えることにしました。
六とく ○語義・区分
@ が、 目には はやぶさ 敵 あの などの語義を扱う。
A 区分は、大造じいさんと残雪のそれぞれを2区分する。
◎ 心
@ 残雪に見えているものは、何か。(仲間のすがた)
A 今、仲間を救う方法は、何しか残されていないか。(体当たりと大きな羽で殴ること)
B それは、勝つ見込みがあるだろうか。(ない)
C ないのにもかかわらず、救おうとしていること強く出ている言葉は、どれだろうか。(目には…ありません。でも…あるだけです。)
D その展開を、大造じいさんは、予想できましたた。どこに、それが出ているか。(何と思ったか)
E この場面の展開は、スピード感があります。どこに、それが出ていますか。(が、……いきなり)
F この戦いを見た大造じいさんの心に変化が起こり始めました。次時でどんな変化化を味わいましょう。
などが話し合われました。
以下 略 指導案B
第747回 東京いずみ会 1月例会 1月21日 報告
東京いずみ会では、例年2月に授業参観をしていました。土曜日が休業日になってからは、授業の会がほとんどできなくなりました。最近、土曜日に学校公開が行われるようになり、今回授業の会が実現しました。授業は、光村3年下「ありの行列」でした。第二次指導第二時の扱いです。ウイルソンが、ありの行列のわけを「尻から出る特別な液」だと突き止めたところを「四かく」で視写し、文章に即して明らかにしていきました。
参観者の感想
@ 落ち着いた学級で、どの子も真剣に取り組んでいた。
特に、「視写」が素晴らしかった。140字近いのにもかかわらず、10分でどの子も書き終えたようだった。
ノートに書かれた字も、マス一杯の大きな字で筆圧もあり、しっかり書き上げている子が多かった。
書き終えた子は、担任の机間指導が終わるまで静かに待つことができていた。
A 読み声が素晴らしかった。
「一よむ」の順繰り読みで担任が「ゆっくりと大きな声」で声をかけると、6名全員が自分の精一杯を出して読んでいた。聞く方も、本をしっかり持ち、腰を立てて聞いていた。
「五よむ」と「七よむ」の読み声は、一朝一夕には身に付かない声で読んでいた。張りのある声で堂々とした読みであった。
担任の話、
いろいろ課題を抱えた子どもたちですが、4月に担任してから、普段は、今日のような準備ができないで日もありましたが、教式に沿って授業を進めてきました。
皆さんの話を聞いて、積み重ねることの大事さを再認識しています。
久しぶりにいずみ会員に見ていただく授業でしたので、緊張しました。
「六とく 区分」の扱いを間違えてしまいました。(参観者…子どもを混乱させたほどではなかった。その修正もうまくやっていた)
研究会の様子 録音を整理中 後日掲載します。
第746回 東京いずみ会 12月例会(11・12月合同) 12月3日 報告
「スイミー」の報告は、特別支援学級での取り組み報告でした。最後に、ペープサートでの表現活動をめざして、読みの指導として報告です。報告者は、いずみ会に参加して2年、今夏の国語公開授業に参加して、この取り組みに挑戦してみようと決意されたようです。今まで、本格的な読みの指導をされてこなかった3名の児童との取り組みで新たな発見があったようです。それは、どの子も安心して参加できるものであること。小見出しのつけ方、発問の内容がどれも精選されており、実践しやすい内容であったこと。指導書やネットに乗っている国語の活動内容は、ワークシートを活用したものが多く、物語文の場合、「○○の気持ちを考えよう」という活動を見かける。この学級の場合、相手の気持ちを想像したり考えたりすることに課題をもっている児童が多く、指導書等のやり方ではついていけないのが現状であるが、今回の取り組みで、どの児童も非常によく物語を読み込むことができていることがわかったこと。課題点もいくつかでてきたので、皆さんのご意見を聞きたいとのことで、@音読について(常に教師の範読からすすめるべきか。丸読みについてはどうか。読み終わるごとに褒めるのはどうなのか)Aワークシートの使用について(第一次指導での言葉の書き出しをノートさせるのには無理があるので、ワークシートを作って書かせるようにしたがどうか。また、第二次指導で文章を視写するようになっているが、それが無理なのでその部分の所々に書き込むようにしたワークシートを作ってみたがどうか)などについて、それぞれの考えを話し合った。
9月から1か月の傷病代替で始まったのであるが、結局11月いっぱいの3か月の報告でした。教式のおかげで無事終了できたことに感謝している。例えば、授業の最初に、『家で読んでみましたか?』、という問いかけをした時としない時とでは、授業の雰囲気が違うこと」に気づき、「教式の中の手続きの素晴らしさ」を実感したとか、自分なりに案を立てて授業に臨むことができたので、安心して取り組めたとか、その喜びを伝えてくれました。ボランティアですが引き継ぎのつもりで、12月1日には、担任に黒語の最後の授業を見ていただくと、その担任は「子どもたちが成長していることに驚いた」と話してくれたようです。退職して2年目、久しぶりの国語の授業を楽しめたのは、数年前からこの会に参加するようになったお蔭だと思っている。生き生きとして話してくださるお姿を見ながら、桐田は、芦田恵之助先生の「78歳の教壇記録」を思い出した。
第745回 東京いずみ会 10月例会 10月15日 報告
9月に1か月間の傷病代替で担任になった定年退職2年目の田○先生の報告です。鈴木佑治先生の作文の教式を最初に読んでから、作文の記述・批正の実践報告でした。週15時間の時間講師です。国語と算数と総合を担当されているとのことです。1校時の15分前には、出勤されておられるようです。学校に着くと、体育館から音楽が聞こえてきたので見に行くと、担当する3年生が演奏したり、合唱したりしていたようです。その出来栄えが素晴らしいので感動されたようです。他の先生方も褒めておられたようです。そこで、作文の予定ではなかったのですが、1校時に書かせることにしたようです。いずみ会では、書きたいことを書かせるということを基本にしているのですが、田○先生の感動を話し、作文を書いてと呼びかけると、意欲的に書いてくれたようです。1枚程度ですから、音楽集会の中でも、どこを中心にして書くかを決めるように話されたようです。そこに、「書きたいことを書かせる」という精神を活かされたように、桐田は感じます。(詳しくは、後日添付)
第744回 東京いずみ会 9月例会 9月17日 報告
夏の会に初めて参加された3名の方、昨年に引き続いて夏の会に参加された石巻専修大学の学生さんが、東京のお姉さんの所に来ていて、東京いずみ会に参加してから仙台に帰郷するということで参加してくれました。また、1年ぶりに元気な姿を見せてくれた古くからの会員もありました。さらに、いずみ会に初めて参加された方が2名あり、16名での会になりました。終了予定時刻になっても話が終わらないくらいにいろいろな話が出ました。(詳しくは後日 添付)
・ 詩「いろんなおとのあめ」の報告と授業者の話 … 筆録担当者から授業の流れが報告され、授業者が自評しました。擬態語・擬音語辞典の活用についても
・ 「古文を声に出して読んでみよう」の報告 … 授業者の工夫を考えながら指導を振り返りました。区画・題目・第一次指導と二次指導を合わせた指導法等
・ 参加者の感想 初めて参加された3名は原稿を用意されました。(詳しくは筆録参照)台風で1日目の授業がなく、講座に変更、それが理解の助けになった……
第743回 東京いずみ会 7月例会 7月2日 報告
2年 詩 「いろんなおとのあめ」 3年 説明文 「もうどう犬の訓練」 について提案をもとに話し合いました。
詩「いろんなおとのあめ」の情景について 話し合いの様子の一部を載せます。
・低学年は、ふくらむ感じがしますね、この詩。
・小さい子の方が、固定観念がないかもしれないね。猫の尻尾とかね、子犬の鼻の頭とかね、決まっていない。
・雨の日、普段見えないようなものが見える。今朝、自然体験に参加している子供たちに聞いてみたんです。
雨の日は好きだよと言った子は、何かが見えるんですよね。雨の日でないと見えないものが。
1年生を担任していた時に、雨の日に長靴履いて校庭を見て歩くと、あんなだね、こんなだねと、そういう感じの詩ですかね。
・そう考えると、面白味が出てくる。音ですから、リズムやハーモニーが生まれてくるじゃありませんか。
そうすると、詩の中にリズムやハーモニーが生まれるように作ってあるんじゃないんでしょうか。
詩人ですからそういうことも計算して作られていると思います。
種は、さっき言ったようなことがヒントになったのだと思いますが。
その計算されているところを子供たちに考えさせる必要はないかもしれませんが、その効果をねらっていると所は、考えないとね。
どんなところにそんなリズム感が出ていますかね。
・最後の連は「あめ あめ あめ あめ」になっていますが、1連は「あめ あめ」になっていますよね。
・最初の気付きと最後は、繰り返しになっている。
だから、真ん中があることによって「あめ あめ あめ あめ」でいろんな音の雨が強調されるんじゃありませんか。
・余韻ということでしょうか。
・中の連で、音にかかわることが示されているのは、どんなところでしょうか。
・「あたって」と促音があることによって、どんな感じがするでしょうか。
・弾んだ感じがします。
・弾んだ感じがするように、同じことを繰り返すということ、それもリズムを作るでしょう。そうすると、後にくる言葉も弾んだ感じがするじゃないですか。
「ぱ行」の音は弾んだように感じませんか。
・子犬の鼻とか猫の尻尾とかになると「ぴこん」「しゅるん」は出てこないですよね。
・この発想が面白いので、子供から他の音が出てくるでしょうかね。
・小さい頃、傘もって遊んだような気がしますね。こんな音が聞こえたという音だけ出しても面白いかもしれない。
・想像の世界に入って生まれた詩でしょうかね。
・言葉遊びの要素も入っているでしょうね。
・カエルだったら「ぴたん」と雨を喜んで逃がさない感じもしますよね。
詩の授業について
・詩は1時間扱いです。二とくは予想で、その予想を証明するのが六とくです。
ですから「二とく」「六とく」とも同じ中身をやるのですが、「二とく」は読んで分かったことで考え、「六とく」では板書されたもので話し合うのです。
・読んでみて、自分の頭の中にどんなイメージができて、どこが面白かったかが決まってくれば、授業案もできてきます。
教式でやると真ん中に書くことがあります。だから、その前に何をして、後はどうするかを考えればよい。
「四かく」は、手で読むということだと考えています。
・2年生だと、頭をそろえて書く、連の境目を1行空けてという指示だけで、他のことはいわない方が子供が迷わなくてよいです。
分かち書きまで注文付けると大変です。初めてのクラスでの授業ですから、できるだけ、指示を少なくした方がいいと思います。
私が詩の授業をさせてもらうときには、子供のノートのマスを確認します。
この詩の、岸田さんの詩集もう一度ご覧になった方がいいかもしれません。
・昨年、詩を扱うときに、七重さんがこの詩(いろんなおとのあめ)を参考にしてやりました。(注 第133回、第132回大会の筆録参照)
流れがあるので、最初に、「二とく」で絵を扱って、「六とく」で文を扱ってと流れができていたので参考にしました。
七重さんの言葉は、非常に吟味されているので、見てしまうと他の言葉が出た来ません。
終わってから見る方が、いいのではないかと、この間、お話させていただきました。
他の詩をやるのでしたら、この詩の流れは参考になります。本当に教式に則っていると思いました。
絵の扱いとか、「六とく」の文との対応にもっていく時とか、つなぎ方が吟味されています。
・終わってから読む方がいいのか、前に読む方がいいのか、迷いますが。
・自分の言葉でしないと、結構舞いあがったりしているので、子供がちょっと違ったことをいったとき、とっさのときにうまく対応できなくなりますね。
・大事なことは、結局、自分が納得したことをやることです。
自分がいいなあと思ったところをやってみる。それが、独りよがりだったら子供が教えてくれます。
避難訓練などをするでしょう。自分の問題としてやっておかないと、実際には、パニックになってしまい、素が出るのです。
素が出るということは、普段の自分が出るということです。
借り物でやると、授業は生ものです。何が起こるか分かりません。自分の納得したことをやることの意味はそこにあるのです。
自分が納得したものをやるにしても、何をどうしたらよいか、路線が決まっていると楽だなと思います。
教式の場合だと、やる手順が決まっているので、安心できます。中身は、授業やる人の感性が大事ですからそれぞれ工夫していただくのですが。
・短いと難しいと思いますね。詩の世界に入っていけるといいですが。去年の1年生の言葉遊びが入っていましたので楽しんでいました。
・私が教わったのは「連毎に分けて読ませますが、連の中は分けません。そして、連毎に読んだ後、最後に一人で全部を読んでもらう」ということです。
「五よむ」は指黙読・指音読で「七よむ」は指音読で、その後は、いろいろな扱いがあるという流れは、そのままでいかれた方がいいと思います。
指音読でリズムが生まれるような鞭の扱い方を練習しておくことです。
去年の詩の授業、板書は練習しましたが、練習しなかった鞭の振り方に迷いが出てしまいました。
チョークの色が出るように書きなさい。ゆっくり書きなさい。ついてこれない子供がいるのですから。
チョークは長いままでなくで短くして使うことを教えてもらいました。
下の方を書くときは座らないということか、足を開かないとか、見た目を美しくとかもいわれました。
・どうすれば、座らなくていいのですか。
・黒板から離れていくようにすればよいです。
・書く時間を保障しているから書けるのです。これは、授業の形態ですね。
シンプルな指導法ですので、今では時代に合わないという方もおられるようですが、力の弱い子を育てるのには向いていると思います。
大事なことを繰り返し、本質を考える授業をするのですから、安心して授業で来て教師も楽しめますものね。
第一次(概観)指導の立案について 例題 『もうどう犬の訓練』 資料の一部を掲載(7月5日) (資料 8月26日 掲載)
1〈区画〉について
・ 説明文の場合は、形式段落を区画とすることがある。すると、区画数が十以上になることがある。
これでは、ポケットにしまって帰れる量を超えてしまう。
・ 区画は、指導の方針によって決まってくるものである。それで、二とく、六とくも視野に入れて決めることになる。
特に、二とく「○手引き」六とく「〇区分」との調整が必要になる。だから、仮の区画で案を立てることになる。
・ そういう前提で、教式に沿って立案してみよう。
まず、全文を読む。(音読がよい)その時に、仮の区画線を入れる。
では、教式に沿って立案する。
@ 「もうどう犬の訓練」を読んで、二とく『○題目』を考える。
A 「◎ひびき」を考える。
B 「〇手引き」を考える。
C 四かく 手引きに従って書き出してみよう。
D 六とく『〇事実・区分』を考える。
E 『◎山』を考える。
F 『○余韻』を考える。
以下略
第742回 東京いずみ会 6月例会 6月18日 報告
6月例会も説明的文章、光村2年上 「たんぽぽのちえ」 うえむら としお 作、の実践報告です。
報告者は、教式を学んで日が浅いので、迷いがある中での授業だったとのことです。
それが、教式の基本を考え直すよい機会になり、第一次と第二次の「二とく・六とく」の役割の違いを再確認することができました。
教式は、すぐに教材の本質に迫り、その面白さを味わわせるシンプルな指導法です。
全問を一問で通すのがよい指導であるとの教えもあります。
自分の納得(心に響くもの)したところを案として整理することの大切さを思い返しました。
今回初めて、教室に設置された電子黒板に教材を写し、検討時に使ってみました。
その活用法もこれからの研究課題であるなと感じました。
第一次二とくでの活用法はありそうだと直感しましたが、四かくの工夫はどうだろうか……。
報告資料…別紙参照
話し合い
* この報告の授業をしていて、第一次と第二次の二とく、六とくの関係がよく分かりません。よろしくお願いします。
○ 五よむは、どうされましたか。
* 指黙読はやりましたが、指音読はうまくやれていません。
・ 指黙読をしてから指音読をすると、集中するのです。それから、六とくで書かれた文をもとに考えるから分かるのです。
そして、文の中の言葉を押さえるから、子供にも分かるのです。
A それでは、雨の日の綿毛のところを具体的に考えてみましょうか。ボードに映っている教材をその部分に変更してください。
でも、しめり気の多い日や、雨ふり
の日には、わた毛のらっかさんは、
すぼんでしまいます。それは、わた毛が
しめって、おもくなると、たねをとおく
までとばすことができないからです。
A 四かくで、ここを視写し、六とくで書いたことをもとに考えます。ですから二とくは、そのための準備をするということになります。
**以下、その時の話をもとに加除修正して書き出してみます。**
第一次指導 二とく ○題目 ◎ひびき 〇手引き 六とく ○事実・区分 ◎山 〇余韻
第二次指導 二とく ○おさらい ◎承接 ○手引き 六とく ○語義・区分 ◎心 ○余韻
第一次指導と第二次指導の『とく』は、上のようになっています。
ここでは、雨の日の綿毛の変化を考えるのですから、そのために、「二とく」では何をしておかなければならいかと考えます。
別な言葉で言えば、本時の足場を作るのが「二とく」になるのです。伏線を敷くといってもよいかもしれません。
そこで、第二次の「二とく」は 〇おさらい ◎承接 と続きます。「おさらい」は、前時の復習になります。
前時は、軸が伸びる訳を考えました。その要点を確認することになります。(軸と綿毛の略図を描きながら「高 ← 風」と整理するとよい)
それから、「承接」になります。承接は、前時から本時への流れをスムーズにつなぐ仕事になります。
ここでは、晴れの日の綿毛の様子を「種を遠くに飛ばす → 風 ・ 晴 → わた毛のらっかさん ひらく → 遠くへ」等と整理します。
次に、六とくを考えてみましょう。○語義・区分 ◎心 ○余韻 となっています。
・ 難しい言葉はありますか、と投げかけます。ないとの返事があっても、担任は必要な言葉(意味・語法等も含めて)を確認します。
ないようですが、「しめり気」を他の言葉で何ていうのかなとか、「すぼんで」はどうなることをいうのかななどと投げかけてみる。
また、接続詞「でも」と「それは……からです」も、この部分を理解するための大事な働きをする言葉ですので、確認します。
・ 語義を済ませてから区分します。区分することによって内容が視覚的に見えてきます。ですから、区分を考えさせます。
ただ分けてみろ、では難しいので、学級の状況に応じて視点を与えたり、分けてからそれぞれの違いを考えさせたりします。
文章を理会させる方法を具体的に、体験的に積ませるのです。担任の読みの深さで区分は変わります。そこが、面白いところです。
板書の文章では、さて、どう区分しますか。見て分かることと、研究しないと分からないことの2つに分けなさい、とでも問うと、内容が鮮明になりますかね。
見て分かったこと……わた毛のらっかさんはすぼんでしまいます。(すぼんで に傍線)
研究(調査)してわかったこと……それは「わた毛が……できない」からです。「からです」=「すぼんだ理由」が書かれている。
観察してその変化を記録し、その変化の理由を考えて明らかにするのが自然科学です。植村さんの姿勢が出てきます。
そんな扱いが科学読み物(説明的文章)を扱うときの担任の心構えだと思います。
そうすることで、植村さんの目で自然を見ることの魅力を疑似体験できるのです。
中には、それを縁にして植物観察の入る子も出てくるのです。
それが、文章を読んだという実感につながるのです。小学校での教材は、そういう視点が大事だと考えています。
文章の仕組みとか論理的な展開とかという文章の構造を解明する力をつけることが国語科の役割りだとする考え方もあるようですが、
教材を読んだらそれと関連した本を読んでみたいという気持ちを起こさせることがより大事だと思います。
特に、小学校ではそうだと感じています。受験用には少し遠回りかも知れませんがね。
◎心の扱いに移ります。
たんぽぽは、いつも種をどうしたいと考えているのでしょうか。(遠くへ飛ばす。二とくの承接で板書しておいた事項)
では、遠くへ飛ばせないと分かったらたんぽぽはどんなことをするのですか。(飛ばないようにする。らっかさんをすぼませる)
落下傘をすぼませるとたんぽぽはじっとそこに止まっていられます。どうしてかな。(風が当たりにくくなり、飛ばされなくなる)
植村さんは、遠くへ飛ばない訳は、何だと分かったの。(湿って重くなる)
たんぽぽには、天気によって開いたりすぼだりする不思議な力があるんだなあと、植村さんは感心したのでこの話を書いてくれたのですね。
たんぽぽのわた毛の素晴らしい所は、開いたりすぼんだりするところです。開くのには開く理由があり、すぼむのにはすぼむ理由があります。
これは、たんぽぽに聞いて分かったことではありません。植村さんが観察して、研究(調査)して分かったことです。
植村さんは、不思議だなあと思って、題を工夫して書きました。
以下省略
第741回 東京いずみ会 5月例会 5月21日 報告
5月例会は、光村3年上「こまを楽しむ」 安藤正樹 作 の授業報告でした。
報告者は、久しぶりの3年担任とのことでした。30名を超える児童数も久しぶりのようです。4月当初からの取り組みも報告してくれました。入門期の指導をアレンジしておられるようです。その一つが、新しい児童との出会いなので、国語の授業の前には、児童一人ひとりの目を見ることから入られ、今も続けておられるようです。
報告 この教材の前に「言葉で遊ぼう」という教材が入っています。
そこで、段落とか「はじめ・中・おわり」ということを学習したので、これを今回使いながら学習していきました。 以下、別紙参照してください。
話し合い
○ 初歩的な質問ですが、板書するときに一文字しか書かないのは、どうしてですか。
* この教材は、丁寧に書かれていて同じようなことが何回も出てきます。
一時間目で、ざっくりと内容をとらえさせようとして、独楽の名前とその楽しみ方を書くことにしました。これでは、答えになっていないかな。
・ 板書しながら 2 の上に「色ー」と書いてあるのは、どうしてということですか。(司会者) そうです。(質問者)
* それは、色独楽という子供の答えを受けて、色独楽だねといいながら「色ー」と省略しながら書きました。
A そうですね。メモすると考えて書いていきます。記憶を呼び出す手がかりになればよいのですから、簡単に書きます。メモ取の学習体験にもなっています。
* <2 とく>で、題目の扱いの後、写真と文章を見ながら確認していき、書き出しました。
○ 手引きですが、一次と二次と三次の違いが分からなくて、一次はざっくりと扱うのですから「5 たたいて回しつづける」が出てくるのかなと、疑問に思いました。
* 4番までは、何々を楽しむ独楽です、と書いてある所を探しならがら、みんなでやりました。それから5・6・7番を子供たちに探させました。
・ 今、みんなでやってみましょうか。2の段落から探してみてください。そうすると、……。色を楽しむ独楽です、とありますので……。(司)
* 「色独楽は……色を楽しむ独楽です」という文から、「色を楽しむ独楽です」の「色」と書きました。(以下同様に進める)
A 色を楽しむ独楽です、と書いてもいいのですが、できるだけ短い言葉で書かせます。そうすると、後の<6とく>の扱いがより自由になるからですね。
* 子供たちの様子を見ると、6のところは、「見る人を楽しませる…」と「おどろくようなところ…」の2つに分かれましたが、「おどろくようなところ」を書きました。
B そういう場合、どちらを選んでもよいということですか。
* みなさんは、「みる人を楽しませるこま」と「おどろくようなところで回すこま」を考えた人がいました。どちらも、独楽の楽しみ方のことですのでよいです。
私は、「おどろくようなところ」と書いておきます、と話しながら板書しました。
A どちらも、手引きの「独楽を楽しむことができるのは、どんなことですか」に合っています。そういう場合には、それを確認して、先生はこちらを書きます、とする
のでよいのです。大事なことは、子供が考えたという事実が尊いのです。間違えた場合にも、自分が一生懸命に考えて出した答えを大事にすることを教えます。
消しゴムを使わないのは、そういう意味もあるのです。何が足りなくて間違えたのかを考える子に育てたいのです。同じ文章を読んでも、より深い味わいになる
ことがあります。それは、読み手の心境の深まりによるものです。読むとは自己を読むことだと、芦田先生は教えています。
* 1のところに「どんな独楽があるのでしょう」「どんな楽しみ方ができるのでしょう」とあるので、それで、最初に「独楽の名前」を出させて、
こちらの方で「独楽の楽しみ方」を書かせました。
C 第一次指導で「名前と楽しみ方」の両方をやっちゃうということですか。自分なんかだと、名前だけとかになってしまいますけど。
* 色を楽しむと書いてあるんですけど、ここでは、表面に模様があってひねって回すと色が混ざって、その色が変わることが楽しみ方の特徴なんです。
そこは、ここでは扱わずに、6とくで、色を楽しむために何をするのかということで、回る速さを変えることと「速さ」を押さえました。
B 初めての方、難しいのではないでしょうか。
D 私は、初めてで、用語が分かりませんでしたが、隣の方は大阪の学校で芦田教式をやっておられたようですので、分かるのではないでしょうか。
E 私は、大阪の○○学園というところから東京の○○学園に来たのですが、○○学園で脇田総一郎先生から習っていました。
○ 4と7を抽出した訳を教えてください。その目の付け所がよく分かりません。(第二次指導で詳しく扱う部分として選んだ理由)
* 私も、ものすごく迷いました。
5、6もやりたかったんですが、まだ子供たちに授業の流れが定着していないので、前半から1つ、後半から1つ、二次で扱うと考えました。
順番を変えると多分わからなくなっちゃうだろうと考えて、順番に行くと4が前半の最後で、7が最後なので選びました。
もう一つ、7を選んだのは、ここだけ、人の思いが入っているので、君達と違う生活をしている人たちがいて、楽しく生活するために工夫していることが、
ここに表れているんだよ、と最後にもっていきたかったんで、7を入れました。他に特別な理由がありません。
○ 4は、独楽の仕組みから書いていますが、7は、独楽の仕組みを省いて、次の所から書いていますが、どうしてでしょうか。書き抜く所がいつもわからないので…。
* 7は、思いが語られているので、この思いを入れたかったんです。
文字数が、前を入れると溢れてしまうので、文字数を後ろから数えていったときに、ここが限界だったんです。
F 文字数は、学年によって目安があるんですか。
A 時間が、7、8分で書き上げられるようにした方が、力の弱い子のためにできるだけ絞ってあげた方がよいでしょう。
B 6年でも慣れていないようだったら、字数を考えるということですか。
A たくさん教えようと思わない方がよいかもしれませんね。どうせ、10教えたって子供の方に入るのは、そのうちの半分くらいかもしれません。
そうすると、精選して大事なところをやってあげた方が、一度に、3つは教えようとして、5つ教えたら1つしか残らないというのが、子供の現実です。
…… 説明文の区画や物語文での区画についても話が広がりました。紙面の都合上省略します。
第740回 東京いずみ会 4月例会 4月16日 報告
新年度が始まって10日経ちました。今回は、自己紹介から始めました。練馬区の学校に採用になられたH I さんが参加してくれました。
新しい年度を迎え、参加者それぞれが新たな目標をもってスタートされました。東京いずみ会も、充実発展の年にしたいものだとの思いを深くしました。
今回は、現職の方に状況をお話しいただき、対話しながら会を進めました。その一端を記します。
・ 昨年に引き続き、2年担任です。今年の2年生は落ち着いている感じがします。特別支援学級での支援が必要な子が3名います。
作文を書かせました。1名書けない子がいましたが、いろいろな題で書いてくれました。字に力の入っていない子も見受けられます。
書きたいことを書くということで書きましたので、いろいろと子供の様子が分かりました。それぞれの関心からその子の様子がより見えてきました。
批正の聴写文にお母さんのことを書いた子の作品を使いたいと思うのですが、内容がブライバシーの問題でどうしようか迷っています。
読んでみますから、ご意見をお聞かせください。
・ 私は、問題ないように思います。お母さんが一生懸命に働いている姿をみて、尊敬の念が感じられ、子供の視点が素敵だなと思います。
・ 私も、同じように感じました。でも、ご心配なら、点呼か優良文朗読で扱うのもよいのではないでしょうか。
・ 聴写文として書かせると、いろいろな子に記憶として残りますので、家庭に帰ってからそのことが話題になると、そのお母さんの耳にも入るでしょう。
それをどう受け止めてくれるか、学級の実態や保護者相互の関係がわからないので、気になるようでしたら無理をしない方がよいでしょうね。
・ 久しぶりに3年生の担任になりました。ここ数年は、高学年が続いていましたので、話の通り方からも幼い感じを受けます。
補聴器をかけている子や日本語学級に通級している子への対応(母親は日本語が不自由)もありますが、だんだん慣れてきています。
今までは、15人程度〜25人程度の学級でしたので一目で学級全体の様子が分かりました。今は、30名以上ですので机間巡視して確認しています。
今日、最初の参観日でしたので作文の批正の授業をしました。今まであまり作文を書いてきていないなと感じました。少しずつ書く力を育てたいと思います。
3年生は、国語が週7時間ありますので、教式による授業にじっくりと取り組みたいと思いました。『共に育ちたい』を心してやれたらいいかなと思っています。
・ 国語の授業はないですが、教師としての温かい視点が学べると数実研のMS先生からこの会のことを勧められて参加しました。
指導教官(昨年退職し再任用)の関係もあり、新採用で理科の専科をすることになりました。しっかり面倒をみてくださり恵まれた環境でスタートできています。
子供たちは、親の世代が学力テストがあって、すごく点数が高かった地域らしく、塾に行くほど頭が悪くないという感じだと、先生方がおっしゃっています。
いろんな意見が活発に出てくる学校です。温かい分、ちょっとざわざわしているというか、私みたいにピシッとできないと脱線していくみたいな感じになります。
4年から6年まで3クラスずつで、1時間は担任が、2時間が私という分担になります。分野別に分けて担当することに決まりました。他に3年の書写もあります。
月曜日は、理科が2時間ですが、金曜日は6時間あります。その日は、指導教官がお休みの日になっていますので、魔の金曜日ですね。
・ 新採で理科専科は、大変ですね。学年3クラスで3学年を担当するとなると、児童の名前を覚えるだけでも大変ですね。
・ 理科の実験で事故を起こさないように予備実験をしたり、危険な実験を伴うときには、指導教官や担任など他の先生(管理職)の力も借りることですね。
・ 困ったら助けを求めることです。追いつめられてから相談をするのではなく、早めに相談することです。抱え込んでしまったらみんな困りますから。
・ 告げ口をするというのではなく、こういうことがありましたが、○先生ならどうされますか、というように、学年主任や担任とも気楽に話せる関係を作ってください。
・ 理科主任も兼ねるのですか。種など事前に用意しておくものや理科備品等については、事務職員さんが分かっているようですので相談したらよいです。
・ 楽しいこともありますよ、いろいろ喋ってくれるようですから。
第739回 東京いずみ会 3月例会 3月5日 報告
「たぬきの糸車」 光村1年下 の立案をしました。
@ 15分間、各自が教材を読む。
<課題> 第一次指導の準備として4つの点を意識して読む。
・ 5W1Hを考える。 区画を考える。 挿絵を考える。 手引きを考える。
A 5W1Hの発表 (ある本に、英語では WHO HOW WHAT WHERE(WHEN) WHY の順になると出ていましたが…)
・ いつ (when) 昔 ある月夜 (冬と春) …… 昔話(最初…むかし 最後…とさ に表現されている)
・ どこ (where) 山の中の一軒家 きこりの小屋 …… 場面設定
・ だれが (who) おかみさん たぬき (きこり) …… 登場人物
・ なにを (what) 糸車 いたずら(あそび) (わな) …… 題目との関係
・ なぜ (why) まね (いたずらもんだがかわいいな) …… この話の味噌
・ どうした (how) おかみさんのしたとおり …… 笑顔(満足)
◎ すると、この話は『おかみさんの糸車が、たぬきの糸車になった』話とするとよいだろう。
B 区画の発表
5区画(たぬきの行状で)
6区画(絵に合わせて)
7区画
この話のターニングポイントなる絵(罠にかかっている狸)があるでしょう。その絵の場面は、「あるばん、こやのうらで 〜 にがしてやりました」になりますね。
その前後をいくつに分けるかという考え方が1つありますね。すると、前は、2つになりそうですね。後は、2つにしますか、3つにしますか。絵で分けるとすると、 最後の絵は、「たぬきは、ふいに
〜 かえっていきましたとさ」になりますね。その前を2つにするか、どうするかですね。「はるに 〜 おどろきました」を1つにす るのは、どうでしょうか。では、一応、6つに分けて考えてみましょうか。後で、手引きによって修正するとして。そうすると、絵と区画を合わせられそうですね。
C 挿絵について
「いつ・どこ・だれ」 話の始まり 1の絵
「いつ・だれ・なに・どうした」 エピソード 1 2の絵
「だれ・どうした」 エピソード 2 3の絵
「いつ・だれ・どうした」 エピソード 3 4の絵
「だれ・なに・どうした」 エピソード 4 5の絵
「だれ・どうした」 エピソード 5 6の絵
D 手引きについて
5区画 たぬきのしたこと
6区画 たぬきのしたこと(たぬきが登場しない区画は〇にする)
以下はこちらへ
E 第一次指導
二 とく の検討
○ 題目
◎ ひびき
○ 手引き
<四 かく>
1 2 3 4 5 6
六とく の検討
○ 事実・区分
◎ 山
○ 余韻
F 第ニ次指導
二 とく の検討
○ おさらい
◎ 承接
○ 手引き
<四 かく>
六とく の検討
○ 語義・区分
◎ 心
○ 余韻
<茶話会での話題>
T 英語の辞書に取りいてられた日本に「REIKI」があるそうです。漢字で書くと「霊気」で、そのことを調べていたら岡田虎二郎にたどりつきました。
その岡田先生に芦田恵之助先生は師事し静坐を学ばれ、新しい境地なられたようです。
「気の巡り」をよくすることで、身体のバランスを調整することができるそうです。
いま、「英語の辞書」に載るようになったということは、「気」への関心が高まってきているのでしょうね。
先日、市のセンターに行った折に「気」の講習会のようなことをやっていたので「気」をかけてもらいました。
ただ、その方が私の両肩に両手を添えてしばらくそのままでいるだけでしたが、何か気分がよくなったように感じました。
K そうですね。芦田先生は、研究と実践の中で神経衰弱気味になられたときに岡田先生に出会われて静坐をされ、神経衰弱を脱したようです。
それの体験が七変化の教式を作り上げるときに生かされたようです。
N 教式を続けているうちに自信が生まれてきますよね。
I 1学期に2年生と詩の授業をしました。その2年生が、この間、昇降口で「また、詩の勉強をしてね」と寄ってきました。子供たちの心に残ったのでしょうね。
担任も「詩の教え方を教わったら」といっていましたと、話してくれました。
M 司書の立場からこの【たぬきの糸車】は、見ているだけでなく実際にやってみたいという意欲が強い1年生の心情にぴったり合うと思います。
こういう作品をたくさん読んで欲しいですね。情緒を育てるためにも大事にしてほしいですね。
K 最近は、国語科の役割りをコミュニケション能力の向上ということに力点が置かれているようですね。
この能力は、基本的には学校の諸活動を通して育てるものだと思います。
ですから、社会・理科・家庭・特別活動等で実践的な訓練を積むことが有効に思います。
国語科に中にそういう教材(調査して報告書を書く等)を持ち込むほど時間的な余裕があるのだろうかと、心配になります。
平成27年度の予定
第738回 東京いずみ会 2月例会 2月13日 報告
今週の話題に載せました。
第737回 東京いずみ会 1月例会 1月23日 報告
三省堂 3年 「身ぶりのはたらき」 指導案を検討しました。 その一部 指導案例
第一次指導
<区画> 3つの案が出ました。
・ 11区画(段落ごとに区画 最後は2段分を1つに) ・ 5区画(教科書が5つに分かれている) ・ 8区画(図1から6とその前後)
教科書の構成は、
1 身ぶりがどんなはたらきをしているのか、考えてみましょう。
2 「言葉を使えない場面で、言葉の代わりをする」
3 「言葉であらわせない方向・大きさ・形をしめす」
4 「言葉といっしょになって気持ちを深くつたえる」
5 身ぶりと言葉は、おぎない合って、気持ちや考えをつたえるはたらきをしているのです。
となっているので、どの区画案もそれにそっていました。子供の作業のしやすさとを考えると、区画は、あまり多くない方がよいだろう。
二 とく
○ 題目
「身ぶりのはたらき」ですから「身ぶり」から入るか「はたらき」から入るかということになるが、具体的な手掛かりは「身ぶり」から入るのがよいだろう。
「身ぶり」をしめす絵図が本文以外に最後のページに載っているので、そこを手がかりにして題目を解いていくのがよいだろう。
絵に吹き出しを書くとしたらどんな言葉が入るかを考えさせることにより、身ぶりと言葉の関係、身ぶりのはたらきについて整理でそうである。
◎ ひびき
筆者の東山さんがこの話を書きたいと思ったところに触れるとよいだろう。(よいコミュニケーションの基本を考える)
(さいごに考えたはたらきは、とくに大切です。……おたがいのしんらい感につながると、わたしは考えています)
○ 手引き 次の3つの考えが出ました。
・ 身ぶりを使う場面を見つけましょう。
・ 身ぶりのはたらきを書き出しましょう。
・ 図1から6まで 動かす部分を書き出しましょう
以下省略
第二次指導につては、時間が足りなくなり、どこを書かせるかに絞って話し合いました。
四 かく
どこを書かせるかについて話し合いました。具体的な様子が分かるところを書かせるのがよいだろう。
言葉で、「ありがとうございます。」と言うだけでなく、図6のように、しぜんに頭を下げませんか。
この場合も、身ぶりと言葉がいっしょになって、心からの感しゃの気持ちを相手につたえます。
などが出ました。(字数の関係でその段落の後半を書かせることにしました。二とくで書かなかったところは扱っておきます)
・ ここで読み取らせることは、「身ぶりと言葉が一緒になっている事実」を具体的に押さえることになります。
= 視写の字数は、低学年 40〜70字 中学年 60字〜90字 高学年 80字〜120字程度 8分程度で書き終る分量 =
学級経営
傷病代替(産休前に体調が悪くなり)に入った学級には、
一番にならない時が済まないでつい喋ってしまう子がおり、
対応に苦慮していることから学級経営について話し合いました。
その中で、作文の指導、聴写の効用についても出てきました。
聴写で落ち着いて学級になったとか、作文の記述上の課題もできるようになっていたとか
(学力テストをしたらその学級だけ全員が「」などの遣いからが全員正解で学年・学校でも自分の実践を認められた)
話題が広がりました。
第736回 東京いずみ会 11月例会 11月28日 報告
教出6年下『きつねの窓』の実践報告をもとに検討しました。
・ 教材に入る1か月前位から読んでおくようにと話しておいたので、しっかり音読してくれました。
・ そこで、気付いたことですが、アクセントが違う言葉いくつかありました。
・ 文学作品が教材から減ってきているのも影響しているのかなと考えました。
・ 第一次指導について (他の案〈前年度の教科書を使って立案、挿絵の違いなどがある〉と合わせて検討する)
二とく ○題目 窓 ◎ひびき 独りぼっち ○手引き ぼくの見たもの
六とく ○事実 二人を結びつけた(窓)→色(桔梗)→染めた(ききょう屋)→不思議な窓から見えた(母ぎつね、少女、家)→もう会えない(不思議な窓)
・区分 ぼくの不思議な体験(1〜7) 8は現実に戻った所 ききょう屋(2〜5) 1は花畑 6・7は杉林
◎ 山 2、4、7番を詳しく読む。
○余韻 きつねはどうしてぼくのところに現れたのでしょうね。
・ 第二次指導について
第二時 四かく 「ぼくは、すっかり感激して、何度もうなずきました。…もううれしきてたまらないという顔をしました。」にしましたが、
その前の「ぼくはもう、……母さんの姿を見ることができるのだから。」も加えた方が、より深く味わえるのではないか。
字数が多くなる分は、二とくを単純化して扱う工夫をしたらどうか。
第735回 東京いずみ会 10月例会 10月24日 報告
教出2年下『さけが大きくなるまで』の指導案を検討しました。
「長い年月を通して天敵に仲間がやられながらも生き残ったさけがすべての力を振り絞って海から生まれたところへ戻る力強さと不思議さを知る」
という目標で読ませたいという提案にそって話し合いました。区画は、教科書の分かれているところで7区画です。写真にも番号を打ちます。
先ず、一よむ 参加者の順繰り読みです。
二とく ○題目 「さけ」 ◎ひびき 「産卵」 ○手引き 「どのように大きくなったか」 まで考えてみたとのことです。
「題目」は「さけ」から入ると子どもの生活に結び付けられる。(塩鮭、おにぎり、鮨、サーモン、イクラ)その後「大きくなるまで」で、
その鮭が卵から生まれて大きくなるまでの話だと題目が整理できる。という話になりました。
「ひびき」は「産まれた川に帰ってきて産卵すること。産卵するまでの道のりの苦労。」ということになりました。
「手引き」は「鮭がどのようにして大きくっていくか」という視点で問いを考えたらということになりました。
六とく ○事実・区分 ◎山 〇余韻 指導案参照 (その後、帰宅してから話し合いをもとに案を作ったものです。)
15年ほど前に校内研究会での指導案を持参して話をしてくださったリ、教材研究用のノートも見せていていただきました。(ノート表紙)
【 事 意 言 】 が話題になりました。
事は事実ということです。文章の場合は書かれていることです。 … 「鮭の親が掘って産んで埋める」 … 事
意は表現されていることを通して伝えようとしている本意のことです。 … 「これは、子を守る工夫と努力」 … 意
言は表現に使われる言葉のことです。 … 「水のきれいな川上 たどりつく うめてしまいます」 … 言
文章を読むときに、先ず、事実を明らかにすることです。その事実からその文章の心を理会することが読むということです。
文章の心を掴んでから文中の言葉の働きを考えさせると言葉の力が育ちます。
その考え方に沿った指導が芦田先生の実践です。その実践を整理したのが国語科指導の単純形態です。
教育実習生の「くじらぐも」の授業の様子を写真にとって報告もありました。最後の授業での笑顔が素敵でした。笑顔も大事な素質です。 通信講座参照
第734回 東京いずみ会 9月例会 9月26日 報告
第133回 夏の会の報告会 宮城県東松島市立赤井小学校 平成27年8月19日〜21日
初参加者の感想
・授業者の表情や声、子どもを見る目の謙虚さなど、自分の実践を振り返る機会になった。
・詩のイメージが広がり、教材の読みの深さを感じました。
・学習習慣を先手を打って指示し、子どもの集中力を高め、問いの精選で深い学習へと進めていた。
・80歳代になられた元校長先生と同部屋になり、若いころに校内研で実践した資料を送っていただき、大感激した。
詩 「空にぐうんと手をのばせ」 報告と検討
・先手を打つ。「目と目でご挨拶しましょう。こちらの1号車から順番に行きます。こちらの3号車の人は待っていてくださいね。」
(一人ひとりの目を見つめるとニッコリ笑顔が。)
… これで、子どもたちの気持ちを引きつけておられる。初対面の学級でなくても、自分の学級でも…
・絵を見て、詩の情景を出す工夫でイメージが広がってきました。
… 授業者 波の話になったとき、津波のこと、地震のことが出てきて、当時4歳位なのにそんなに心に残っているとはと、配慮不足を感じました。…
・暗唱の工夫が生きていていました。最後には、笑顔で教室を出て行きました。
… 板書の練習はしていたのですが、もっと鞭の練習をしておくべきだったと、暗唱の時に気づきました。…
「海のいのち」 報告と検討
・「最初に登場したのは誰。…太一…太一はこの話の何。…主人公…太一の物語。太一の最後はどういう人になった。…村一番の漁師」と、全体を概観し、
授業の目標「どうして村一番の漁師であり続けられたかを読み取ればよい」と示されていた。
・手引きは、太一の居る所を探して書かせています。 …子どもの感想文の中に、書き出してみると全体の流れがよく分かる、とありました。…
・感想文を書いてもらい、紙上授業の形式でまとめをしようと、担任にお願いしました。その返事を基にしてまとめをしました。別紙参照
第733回 東京いずみ会 6月例会 6月27日 報告
教出2年上 きつねのおきゃくさま 第一指導(概観)の案を作るワークショップを行う。
7名の参加者を2つのグループに分けて、それぞれのグループで検討することにした。
最初に、区画の検討は、時間がないので今日の報告者の案に従うことにして、7区画(絵に合わせて)を順繰りに音読した。
その後、グループに分かれて以下の順に検討していった。
二 と く
○ 題目 を考える。どちらのグループも 「 きつねの おきゃくさま 」の「 おきゃくさま 」から解いて行くという結論になった。
@ 自分の家で「お客様」をお迎えした時の様子を話し合う。
A 「客」と「お客様」の違いを話し合う。
B 狐のお客様は、誰かを確認する。(すぐに、狐がお客様を迎えた絵を開けさせて話し合う、という考えもあった)
◎ ひびき を考える。この話のひびきは、何かを考えると、区画の6(6番の絵)を考えることになるとの結論になった。
C 痩せていた3人(匹)のお客様が丸々太っているのが分かる絵(6の絵)を開けさせて、絵を見ながら話し合う。
D この狐の姿(顔・目・全身・爪)は、今までにお客様に見せたことのないものであることを話し合う。
○ 手引き
・ 登場人物を書き出す。狐のしたことを書き出す。狐の話した(内言語も)言葉を書き出す。等の考えが出される。
・ 最後の全体会で報告者は「狐が他の者の話に反応して繰り返した言葉を書き出す」と提示した。
四 か く
1 ○ 2 お兄ちゃん 3 やさしい 4 親切な 5 かみさまみたいな 6 いるぞ 7 ○
六 と く
○ 事実・区分 を考える。ここは、報告者の案(四かく)をもとに考えた。事実は、書き出された言葉を相互に関連をつけ、話の山を浮かび上がらせる場である。
@ 誰の言葉から狐はこれらの言葉を出したのかを話し合う。(下に板書 2ひよこ 3ひよこ 4ひよこ・あひる 5ひよこ・あひる・うさぎ 6おおかみ)
A ぼうっとなった言葉は、どれかを話し合う。(3、4、5)
B その後、2、6では、狐はどうなったかを話し合う。(2みぶるい 6ゆうき)
C 区分を話し合う。・狐が生きている時の話(1〜6)と7(死だ後)、お客を迎える前(1)歓迎したお客さまと歓迎しないお客(2〜5と6)…4区分になる。
◎ 山 これから詳しく読むところを話し合う。2時間扱うとすると…。
D この話の一番面白いところは何番でしょうか。(6)
E 6は、迷惑なお客の所ですが、お客様をお迎えした狐の所も面白い。(3、4、5)
○ 余韻 笑って死んでいった狐って…
上のような柱ができたので、それらを自然な流れになるような発問を工夫していくと、授業が出来る。
芦田先生の教案を見ると、「二とく ○ おきゃく ◎ 招かざる客 ○ 繰り返しの言葉」のように一言ずつ書いてあるだけであるという。
先生の教壇記録を録られた青山氏は、長い沈黙の後に一語をしたためられると、立案の様子を記されている。
深い教材研究から出て来た言葉を授業の展開をイメージされて一語に記されているのであろう。
それが、授業での臨機応変の対応に結び付いているのであろう。細かく案を立てても、子供の前に立ったら忘れましょうという先達の教えとつながる話である。
「このワークショップを通して、立案のコツが少しずつ分かってきた。」との感想をいただいたので夏の会のワークショップにも応用したい。
後日、この教材の第二次指導までの案を載せる。
第729回 東京いずみ会 1月例会 1月10日 報告
光村3年下 言葉について考えよう 「にた意味の言葉、反対の意味の言葉」の5時間扱いの第1時が報告された。
報告の前に、小見出しで3つに区画できるが、指導上、何区画がよいかを検討する。
「にた意味の言葉」を3区画にし、最後の<「分類する」ということ>を独立して読ませる5区画6名で読む案に落ち着いた。
一よむ 参加者6名に席順で順繰り読みをしてもらう。それから、二とく 題目 について検討する。
第1問としては、「今日は、言葉の勉強ですが、どんな言葉の勉強でしょうか?」と「今日の勉強は、何に目をつけて考えるのでしょうか?」が出された。
「意味」から考えると、にた言葉と反対の言葉があるという勉強と押さえる。すると、にた意味の言葉の挿絵と、反対の意味の言葉の挿絵を扱う流れになる。
そこで、「きょうだい」の図と最初の少女の絵を検討する。「きょうだい」の図は、完成形ではないということで扱うのが面白いだろうとなる。(報告者の感想)
反対の意味の言葉は、同じ仲間の言葉の中で考えることが大事である。「きょうだい」の図を使いながら矢印と仲間を……で囲み図を完成するとよかった。
その後、にた意味の言葉を扱う挿絵から本時の例文をもとにした入れ替えの利かない言葉の違いを扱う。(報告者の感想)… 指導案と筆録を参照
このような教材について、いずみ会ではどのようにしてくのがよいか、今後の課題にすることとなる。
後半は、第2回 ワークショップ、新学期の学級初めの様子を話題にして話し合った。
子供を取り巻く社会情勢や家庭事情、発達障害を抱えた子への対応なども話題となる。
コメントが届きました。
いわゆる言語教材の扱いですが、教式で扱い可能だと思います。
ただ、やってみせないことには納得いただけないと思います。
実践あるのみです。
第728回 東京いずみ会 報告 詳しくはこちらへ
日 時 平成26年12月26日(金)〜27日(土)
内 容 第2回 国語指導法 ワークショップ 報告
第727回 東京いずみ会 11月例会 11月29日 報告
教出5年下 思いをこめて(詩4編) 3時間扱いのうち、「鳴く虫」と「はたはたのうた」を中心に報告された。
子ども達の実体験が少ない中で、これらの詩を扱う難しさを感じた報告でした。検討会の中でもその点が議論になった。
「思いをこめて」という題名の小さな詩集である。どんな思いを集めたのかが、一つのポイントになりそうである。
この詩集は「秋から冬」にかけて心に響いた詩で構成されている。そのことを概観で扱いたい。(題で季節が感じられる詩、想い出を書いた詩)
「素朴な琴」は、4行詩である。3行目を抜いて読んでみると、3行目の働きが見えてくる。すると、素朴な琴とは純な心のことだろうと思われてくる。
「鳴く虫」は 3連の詩である。1連の連想が素敵である。その着想を2、3連で解いている。虫の音と宝石を磨く音が重なるとその輝きまで見えてくるようだ。
「はたはたのうた」は、この時期にはいつも母を思い出すなあ、という詩である。厳し雪国での心温まる想い出である。
「雪」は、時刻、地形、風、音などを手がかりにどう情景を想像させるかがカギになりそうである。「太」と「次」以外は、同じ繰り返しの2行の効果を味わいたい。
第726回 東京いずみ会 10月例会 10月25日 報告
鈴木佑治先生のいずみ会最後のご教壇 (第55回 春の会 昭和42年3月28〜30日 岩手県和賀郡猿橋小学校)の筆録をもとにした再現授業をした報告でした。
鈴木佑治先生の筆録、笠原昭司先生の感想文、佐々木秀也先生の感想文、今回再現授業の筆録、再現授業をさせてもらった学校の校長先生と担任への礼状、子どもの感想への返事を参照してください。
第725回 東京いずみ会 9月例会 9月27日 報告
9月の例会は、第132回 国語教壇修養会報告でした。竹岡先生の「一つの花」(東書 4年)のビデオの視聴を中心にして話し合いました。@ゆみ子を思う父母の心情に絞った扱いがよかった。A題目は「一つの花という話でした。お父さんが誰にあげた花でしたか」から入り、その場面の絵を見て、時代背景を扱うという流れでした。Bひびきは、初めて覚えた言葉と母を結びつけ、父のかかわりを扱い@を響かせている。C手引き「ゆみ子のしたこと」D事実・区分は、父母はゆみ子のためにいろいろしたが、困ったことは何かと問い、父が戦争に行く日のことを関連づけてから区分している。E山は、父が最後にしてくれたことF第二次六とくの心は、ゆみ子は満足したか、父は満足したかを考え、その時の母の姿を想像し、その後の母子の姿を暗示する。G竹岡さんの整った板書は学ぶべきことろが多い。
竹岡先生の筆録の抜粋
第724回 東京いずみ会 7月例会 7月5日 報告
7月の例会では、4月17日に実施した授業報告をもとに話し合いました。
理科専科をされていて、補教に割り当てられた時間に担任と事前に相談して 第一次指導 ”概観” を1時間扱った貴重な報告です。
教材は、光村5年 「のどがかわいた」 ウーリー=オルレブ 作 母袋夏生 訳 です。
主人公 イタマル が、寄宿舎の同部屋に入ってきた転校生 ミッキー の水の飲み方から 「こいつ、のどのかわきをしっているんだ。」 と気づき、二人は親交を深めていく話である。教科書の手引きでは、登場人物どうしのかかわり合いを読み、感想を書こうになっている。そこで、まず、イタマルとミッキーの人物像と二人の関係の変化を読み取るようになっている。そして、「@登場人物の関係がどうえがかれているか。A二人に関係をあなたはどう思ったか。Bそのように考えた理由を、自分と友達とのかかわりを思い起こしてながら、具体的に述べる。」という構成で感想を書こうとなっている。
報告
<区画> 6区画 1 p16L1 ぼくたちの寄宿舎 2 p16L9 運の悪いことに 3@ p18L5 ある日、ふと、ぼくは 3A p19L14 別なときは
4 p20L3 ミッキーが来た 5 p21L13 ある日、ぼくたちは 6 p23L1 「イタマル、ぼくねえ
1よむ 6区画 7名 6分50秒
2とく
○ 題目
・ 変わった題ですね。どんな感じがしますか。(話し言葉みたい言い方)
・ どんな時に言うかな。(水が飲みたいとき)(暑くてばてた時)
・ 今とは、変わってほしいなあという願いがあるのですね。水が飲みたいのは誰ですか。(イタマル)
・ 外国の名前ですね。もう一人水を飲みたい人がいます。(ミッキー)
・ 聞き慣れない登場人物が出てきますね。(エルダット)(ダニエル)
・ 4人の男の子が登場します。どんな関係ですか。(寄宿舎の同室)
・ どこの国でしょうか。(イスラエル)
・ 砂漠がある乾燥した気候の地域で日本とヨーロッパと間にある国の一つです。
◎ひびき
・ イタマルやミッキーが、のどがかわいているのが分かる文があります。絵を見てから探しましょう。
(手から水がしたたり落ちるかんしょくをうっとりと楽しむ)
(ミッキーがせんをひねってかがみこんだ)
(真夏の太陽がぎらぎらと照りつけていた)
・ イタマルが、水を飲みたいと強烈に思って、心の中で想像しているのはどんな場面ですか。
(砂漠の砂嵐)
(いかだに乗って海を漂っている)
○手引き
・ イタマルがこうしたいと願ってやったのは、どんなことでしょう。それぞれの区画から短い文でさがして書きましょう。
・ 1でやりたいのは。(ゆっくり水を飲む)(水道のじゃぐちにとびつく)では、 「じゃぐちにとびつく」と書きましょう。 2からは各自で書き出す。
3よむ 4かく (各自黙読視写)
1 じゃぐちにとびつく 2 明かりを消す 3@ かんしょくを楽しむ 3A ゆっくり飲ませて 4ミッキーを見る 5 湖の水を飲む 6 女の子に合う
5よむ 代表で板書を読む。 1名
6とく
○事実・区分
・ のどが渇いて、水を飲みたいと思っているのは何番ですか。(1,3,4,5)
・ 人に対して興味をもっているのは。(4,6)
・ 誰に対して興味をもったのですか。(ミッキー)(女の子)
・ ミッキーが気になった日の出来事は。(3と4)
・ どこで起こった出来事ですか。(寄宿学校)
・ p17脚注を家で読んでみましょう。寄宿学校でのくらしが分かるのは。(1,2)
・ どんなことが起きたのでしょうか。(水を飲むのを邪魔された)(明かりを消す、つけるで喧嘩)
・ 寄宿学校は、親から離れて、ずっと仲間と暮らすから、自分の願いが分かってもらえないと大変ですね。イスラエルには多い学校です。
・ 5と6は、どこで起こったのですか。(ガリラヤ湖)
◎山
・ イタマルがミッキーと気が合って一緒に行動するようになったのは、なぜですか。(二人とも喉の渇きを知っているから)
・ だいじな秘密を、ミッキーが話しましたね。(好きな女の子がいるんだ)
○余韻
・ イタマルは、ミッキーの秘密を聞いてどんどん空想しています。(そんな女の子に合いたい)(世界を旅している)
・ 何番を詳しく勉強したいですか。願いがよく分かるのは、どこかな。
<板書事項>(実際は縦書きですが、横書に直してあります)
のどがかわいた
↓
「水を飲みたい。」 願い
第722回 東京いずみ会 4月例会 4月19日 報告
・ 5年 詩 「水平線」の実践報告を検討しました。
・ 国語の授業開きの報告もありました。
・ 学校司書さんのブックトークの話も聞けました。