光村3年 上   
イルカのねむり方 2  指導案 続き

   第二次指導(詳しく読む指導です。)

  1. 第一次指導、概観を受けて文章の山場を文に即して詳しく読みます。
  2. 一よむの後、前時の復習をします。前時の六とくのおさらいです。
  3. 六とくの区分から入るか、山から入るか、前時と同じ扱いにならないように工夫します。
  4. 次に復習から本時へつながるような話し合いをします。承接と呼んでいます。
  5. 本時の山場になる部分を視写します。多くの場合、その段落の全部か一部を書かせます。学年によって書く分量も考慮します。
  6. 視写(板書)した文章をもとにして詳しく読んでいきます。
  7. この文章全体から響いてきたところを文に即してはっきりさせます。これを文章の心をつかむといいます。ここが第二次指導の中心になります。

 第一指導を考えるときに、第二次指導で扱うところを明確にしておきます。そこを山と呼んでいます。今回は、1時間扱いで5区画目を選びました。

一 よむ 6名 前時に続いて次の順番の子6名が読みます。。
   * 指示  読む人は立ってゆっくり大きな声で読み、聞く人は本を立て腰も立てて静かに聞きましょう。
      評価  読み手と聞き手のよい点をさわやかに評価する。前の時間の人も頑張って読んでくれましたが、今日の人もよかったです。

二 とく (前時の復習をしながら本時の足場を作る話し合い。)

 
○ おさらい (前時の六とくを復習します。話の構成を再確認します。)
  1 関口さんは動物の行動を研究しています。自分の研究だけでは「イルカのねむり方」について研究できなくなりました。
    
イルカのどんな研究を調べてみましたか 

  2 その話は何番に書いてありましたか。(1〜6までの区画線を引き、5の下に 目ー と板書。「目をとじて」と学習してありましたので。)

  3 関口さんが水族館でイルカを観察したのは何番から何番でしたか
    そして、それぞれに何と書きましたか。(子どもの言葉を受けて2,3,4の下に おー、ねむって、ねむって と板書)
    
  4 水族館の観察とイルカの脳研究で分かったことは何ですか。(6の下に ねー と板書)

  5 水の中で生活しているイルカの行動を研究していて、「ねむり方」に興味をもって始まった研究でしたが、片目ずつ眠るという不思議な話でした。

 ◎ 承接 (前を受けて後につなぐという意味の漢語です。大漢和辞典から鈴木先生が見つけられて使われるようになりました)
  5 3と4とも「ねむって」になっています。関口さんがこれだと、思ったのはどちらですか

  6 4には、ねむっての後に何と書いてありましたか。(答を受けて4のねむっての下に ちー と板書)

  7 3は、何と続いていますか。(答を受けて3のねむっての下に 考ー と板書)

  8 関口さんは、3で予想し、4では観察の仕方を絞りました。すると、昼と夜の違いがはっきりしました。
    一つは、イルカの動きです。どう違いましたか。(方向 いろいろ 円  速さ はやく ゆっくり と板書)

  9 もう一つは、何に気づきましたか。(目 かた目 交代 と板書)    

 10 イルカの行動を観察した結果と眠りについて結びつけることを考えました。それを「仮説を立てる」といいます。
    それが、イルカの脳の研究を調べることでしたね。

 ○ 手引き (視写する区画や書き出す部分を指示する。)
  * 指示 その研究を調べて分かった部分を書き出しなさい。(すると〜5番の最後まで。 約百字)

三 よむ(黙読) 四 かく(視写) 同時進行  新出漢字なども視写させる。ここでは、「脳」も見て書かせる。
                   教師は板書(6とくで扱いやすいように板書も工夫する)

     すると、イルカは、脳を
    休ませているときは、
    目をとじていることが
    分かりました。
    かた目をとじているときは、
    脳を半分休ませている
    ことになります。
    イルカは、脳の右半分と
    左半分をべつべつに
    休ませることができる
    のです。

五 よむ 指黙読(指示棒に合わせて黙読する) 指音読(指示棒に合わせて声を揃えて音読する)
  * 指示 この棒の動きに合わせて目で読んでください。 今度は、腰を立てて声を揃えて読みます。
    
(第一次指導では単語ですが、ここでは文章を読ませます。ですから、文節ごとか句読点毎にまとまりを意識して指揮します。)

六 とく (五よむで読んだことをもとにして話し合う。文章の心を文に即してつかむことです。この場合は、発見の内容とその驚き・喜びになります。)

 ○ 語義(難語句の解消)・区分(文章を分けると考えやすくなる。)
  1 難しい言葉はないかと問いかける。(漫然と読むなという自覚を促す問いかけ。)
    (ないと答えた場合でも意味や働きを確認しておいた方がよい語句もある。) 
    今回は<すると 分かりました ことになります のです>をあつかう。 

  2 3つの文で書かれています。関口さんが考えたことは、どの文でしょうか。(2文目と3文目に 2  3 と板書)

  3 前は脳の研究で分かったことです。(1 と板書)

 ◎ 心(この文章の大事な点<発見した事柄と研究者冥利>をはっきりさせる。語句や表現に即して考えさせる。)
  4 関口さんが研究者として嬉しい気持ちになれたのは、1、2、3のどの文でしょうかどの言葉に表れていますか。(のです に二重線
    
  5 「4区画」で考えたこと(仮説)の正しさがはっきりしたのですからね。

  6 「のです」とはっきりいえる元は、どこに書かれていますか。(脳を休ませる と 目をとじる をで囲む)

  7 眠ることは脳を休ませることであり、それが「イルカの動きにも表れている」と関口さんには納得しました。
    (かた目 と 脳を半分休ませる に傍線イルカが眠っているときにはどんな動きをするのでしたか。(二とくで板書した 円 ゆっくり に矢印) 

 ○ 余韻
  8 関口さんの研究を見て、寺島さんは子供達にイルカの不思議な行動と関口さんの発見の喜びを伝えようとこの話を書きました。
    身の回りには、考えてみれば不思議なことがたくさんあります。次の蟻の行列も面白い話です。家で読んでみましょう。

七 よむ  (六とくで扱ったことを確認しながら5よむで読んだところを読む。)
   *指示 今日の勉強を振り返りながら声を揃えて読みます。腰を立てて、はい。(読み声に授業の充実感が伝われば、よい授業になっている)

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